[an error occurred while processing this directive]
[an error occurred while processing this directive]
[an error occurred while processing this directive] [an error occurred while processing this directive] [an error occurred while processing this directive]

インタビュー:企業人
[an error occurred while processing this directive] 【「新生」鈴鹿サーキット】(後編その1)名勝負を生んだレイアウトはおいそれとは変えません−−−深津社長
●2輪と4輪の両方のための安全を考える

-- 今回の改修は、鈴鹿サーキットにとって、87年にF1日本GP開催に備えて行われた改修以来15年ぶりの全面的な大改修になります。どうしてこの時期に行われたのですか?

深津  87年の時はF1開催だけでなく、2輪世界GPの開催にも先駆けて、大改修を行ったんです。それ以降も、「安全性」「お客さまのため」「レース関係者のため」にと、3つの観点に基づいて、その都度着実に改良してはいました。しかし今回、思いきった改修をしたわけは、変化し続ける時代を後追いするのではなく、もっと前向きに取り組もうと思ったからなんです。

-- トヨタ参戦もその理由ですか?

深津 たしかにF1そのもの開催が、トヨタさんの参戦などで物理的に手狭になったからという理由もあります。しかしそれ以上に、ランオフエリアを広げてほしいという強い要請が2輪のFIM(国際モーターサイクリズム連盟)からも、4輪のFIA(国際自動車連盟)からもずっとあったからなんです。その時々に対応してきたのですが、FIMからの要請とFIAの要請が異なるんですね。たとえばFIAはランオフアリアを拡げられないなら、砂利の部分をアスファルト化したらどうか、そうすればブレーキングがしやすくなるから、というのですが、そうすると2輪の場合にはかえって危険になってしまう。ですから2輪と4輪の安全性に関する要請を両立させることを考えると、大規模な土木工事をして大幅にランオフエリアを拡げるのがベストという結論に達したんです。そしてFIAもFIMもそれを認めてくださった。でも、これで未来永劫十分に安全ということではなく、いま考えられる最善を尽くしておこうということです。

-- F1ではマーシャルや観客の事故が続いています。鈴鹿でも同様の事故が起きる可能性はないのでしょうか?

深津 そうした事故をよく観察して、我われのコースでも同じような事故が起こる可能性があるかどうか日々チェックしています。基本条件である「お客さまとクルマがどのくらい接近するのがいいのか」については、日々の見直しが必要ですから。

-- しかし、マシンはどんどん速くなるし、レーサーももっと速く走ろうとします。サーキットとしてそれに対応して安全性を進化させて行くのは大変なことです。「マシンのスピードをこれ以上速くしてくれるな」というお気持ちはありますか?

深津 私は、レースとはあくまでマン・マシンの関係の上に成立するものと考えますから、マシンだけが先行して速くなるという状態はよろしくないと思います。しかし、人間のマシンを操る能力が増していくことも当然あるわけで、いままでにない走りができる能力を備えたドライバーが登場すれば、それに見合ったマシンの向上が必要です。そうでないと操るほうもおもしろくないですから。

-- しかし、最近のF1マシンの速さの進化は、操るドライバーの成長よりも速くないですか?

深津 そうかもしれませんが、操れないほどのものではないと思います。現に速いドライバーは、もう歴然と速い。ですから、レースを司っているあらゆる専門家集団は、マシンの速さとドライバーのバランスについては見極めていて、バランスを欠くようなレギュレーションは認めていないと思いますよ。

-- でも、スピードが上がれば上がるほど、一瞬のミスやトラブルでコントロール不能状態に陥った時に、人間の領域を超えた状況が起こってしまうのではないですか?

深津 私はそのほうの専門家ではないですが、スピードだけでいえばCARTの速度はF1より高い。そこでのミスは相当なダメージにつながりますから、そのぶんクラッシュに対する配慮はものすごいんです。つまり、ドライバーもクルマも限界に近い能力を発揮できるように、それに応える(安全面の)ハードとのバランスが常に必要なんです。ドライバーもマシンを作る側も主催者も、マン・マシンの極限での接点を常に追い求めて挑戦を続けているわけですから、それなりのルールができていて、いままでもバランスが取られてきているのではないでしょうか。あれもこれもダメと何もかも規制したら、人間の能力や技術の向上をスポイルすることになってしまう。それではレースという挑戦は何のためにやっているのかということになるし、第一おもしろくないでしょう。

次のページへ
Page: 1 of 2 


【「新生」鈴鹿サーキット】
(前編)トヨタ参戦でピットが足りなくなったんです
(後編その1)名勝負を生んだレイアウトはおいそれとは変えません
(後編その2)トヨタさんのF1参入 こんなにありがたいことはない


『デイリーニュースランキング』の登録はこちら
auto-ASCIIトップページへ
[an error occurred while processing this directive]  
[an error occurred while processing this directive]