自動運転ロボット『ラクロ』による「オンライン動物園」…千葉市動物公園

千葉市動物公園で実施された「オンライン動物園」で使われた自動運転ロボ「ラクロ」※実施前に撮影
  • 千葉市動物公園で実施された「オンライン動物園」で使われた自動運転ロボ「ラクロ」※実施前に撮影
  • イベント当日に取り付けられた360度カメラでの映像
  • ラクロの操縦権を獲得すると、走行ボタンがアクティブになる。左側は経過時間。60秒間操作できた
  • オンライン動物園で周回するコース。6箇所で動物のガイドが聞けた
  • イベント当日はスタッフが参加して、各所で声掛けをしてくれた
  • 360度カメラからの映像。画質レベルがもう少しか高いと良かった
  • 千葉市動物公園内を走るラクロ。
  • 園内を周回する自動運転ロボ「ラクロ」 ※事前に撮影

千葉市動物公園は5月17日、ZMPの自動運転ロボット『RakuRo(ラクロ)』による「オンライン動物園」を実施した。5月16日開催を予定していたが雨天となったために実施を1日順延。当日は午前/午後の2回で約2万の視聴回数があったという。

新型コロナウィルスの感染防止策を受けて出された緊急事態宣言。一部地域では解除された地域も出てきたが、会場となった千葉市動物公園のある千葉市は今もなお宣言が続く。本来なら4月初旬にもラクロを使ったリアルな自動運転走行で園内を周回する予定だったが、宣言が出たことで実現には至らなかった。「オンライン動物園」はそんな状況下で、少しでも多くの人に「驚きと感動」「癒しと憩い」を届けたいという想いから、その仮想体験をオンラインで実施したというわけだ。

今回特設したオンライン動物園では、ユーザーのPCやスマホから、一人乗り自動運転ロボ、ラクロの遠隔操縦(ゴー&ストップ)と、360度ビューによるリアルタイムの動物観察が可能になるというもの。ラクロは用意された時間中、千葉市動物公園内の草原ゾーン(ミーアキャット、ゾウ、キリン、カンガルー、フラミンゴ、シマウマなど)を、動物の特徴や豆知識を解説しながら、実際の現実世界で自動運転により周回した。

遠隔操縦の資格を得るには特設サイトにアクセスし、そのサイト上で権利を獲得。早押し方式で1人だけが1分間にわたって自動運転の遠隔操縦の権利を獲得できる。権利を得るとラクロのカメラを通してリアルタイム映像を見ながらロボットの遠隔操縦が行える。また、遠隔操縦の早押しに参加できなかった場合でも、サイトにアクセスした全員が360度ビューで自由にリアルタイムの動物観察ができた。

午後の回では、5月3日に生まれたばかりのビーバーの赤ちゃん4頭の命名式も行われた。名付けられたのは「夢(ゆめ)」「希(のぞみ)」「幸(こう)」「勇(ゆう)」に決定。『多くの皆さんに勇気や希望を持ってそれぞれの夢に向かって進み、幸せになってほしい』という願いを込めて名付けられたという。

「オンライン動物園」には筆者もPCを介して参加してみたが、操縦権獲得のための早押しには常に300人前後が参加しており、一度も獲得することはできなかった。仕方ないので、周回中のラクロに搭載された360度カメラからの映像をグルグルと回して楽しむこととなった。惜しいのはこの画質がお世辞にも良いとは言えず、動物たちが遠くにいるとその存在すら確認するのが難しかったほど。イベント自体はとても面白いので、この機会が再びある場合にはぜひこの部分を改善して欲しいと思った。

ただ、ラクロの遠隔操縦は、ゴー&ストップという単純な動きということもあって、低年齢層でもスムーズに行われている様子。興味のある場所で停止時間を長くしてみるなど、思い思いに1分間の操縦を楽しんでいる様子だった。また、筆者はPC上で行ったが、スマホで操作する方が画面が自在に動かせ、リアルな雰囲気を楽しめたという声もあった。自動運転による「オンライン動物園」という、まさにリモートワークが叫ばれた時代らしい新たな試みだったと言えるだろう。

《会田肇》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集