【三菱 eKワゴン 新型試乗】本気でコンパクトカー水準の軽を造り上げた…齋藤聡

コンパクトカーに取って代わることのできる性能

造り込みのテーマは「扱いやすさ」

トルク向上で発進の頼もしさ向上、100km/h 巡航は楽々

三菱 eKワゴン 新型
  • 三菱 eKワゴン 新型
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  • 三菱 eKワゴン と eKクロス
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コンパクトカーに取って代わることのできる性能

三菱『eKワゴン』に試乗してまず感じたのは、本気でコンパクトカーの水準でクルマ造りをしていることだ。

いまや国内の販売台数の5割以上を軽自動車が占めており、ユーザーのニーズは軽自動車でありながらコンパクトカーに取って代わることのできる性能、そう合点して手加減なしに作った軽自動車ではないか。

企画・開発マネージメントは、三菱と日産の軽自動車開発のための合弁会社NMKV。プラットフォーム(≒骨格)やエンジン、CVT(無段変速ミッション)など主要コンポーネンツを刷新したブランニューの新型車である。

造り込みのテーマは「扱いやすさ」

三菱 eKワゴン 新型三菱 eKワゴン 新型
造り込みの具体的なところを上げると、ベーシックなところでは、パワーステアリングの重さや、アクセルペダルの踏み込み角度、セレクターレバーの位置変更などの角度や位置を改め、“扱いやすさ”をテーマに設計し直されている。

座面前方下にあるシートスライドのレバーも、先代では股の間から手を入れないと操作しにくかったものを、足の左右から手を伸ばしても楽に操作できるようにレバーの形状を変更。運転席ばかりでなく、リヤシートは座面を意図的に低くして、チャイルドシートを卒業した子供(6歳以上:140cm以上)を座らせやすいものにしている。

また、リヤのシートスライド機構は、リヤシート中央上部のレバーを引き上げることで簡単にシートをスライドさせることができる。なにより操作が軽い力でできるのがうれしい。広く使えるラゲッジルームは、FFでは荷室下が深くできるので、大柄なA型ベビーカーもすっぽり入るスペースを確保している。

徹底的に実用性が求められる軽自動車だから、こうした作り込みはとても良いと思う。

トルク向上で発進の頼もしさ向上、100km/h 巡航は楽々

三菱 eKワゴン 新型三菱 eKワゴン 新型
細部の作り込に加え感心したのが、走りの装備。まずシートのフレームがしっかり作られているのでしっかり体を支えてくれる安心感がある。

エンジンもなかなか力がある。パワー/トルクは52馬力/60Nmで、先代と比べても数字上は最大トルクのみ若干上がっているにすぎないが、新開発のエンジンは回転全域でトルク厚くなっており、とくに発進時の加速に頼もしさが増している。660ccの自然吸気エンジンなのでそれほど強力なわけではないが、ストレスなく加速できるくらいの速さはある。また、オプション設定のMIパイロット(追尾機能付きオートクルーズ+車線逸脱防止支援機能)を使った高速道路の100km/h巡航は楽々こなすことができた。

操縦性の出来も想像以上だった。ボディがカチッとしていて、しかもステアリング回りにも剛性感があってグニャつきのないすっきりした運転感覚がある。しかもステアリングもEPS(電動パワステ)のチューニングでハンドルが自然な感じで直進に戻るよう制御されているのでハンドルを切って戻すという作業がとても自然に出来る。この感覚も従来の軽自動車のレベルを軽く超えるものだ。

三菱 e-アシストを全車標準装備

三菱 eKワゴン 新型三菱 eKワゴン 新型
さらに加えて、ドライブサポート系の装備の充実も、うっかりミスを最大限防いでくれるうれしい装備だ。三菱e-アシストとして10~80km/h(対歩行者は60km/h)で作動する「被害軽減ブレーキ」、0~25km/hで作動する「踏み間違い衝突防止アシスト」、「車線逸脱警報システム&車線逸脱防止支援機能」。自動的にハイ・ロー切り替えをしてくれる「オートマチックハイビーム」が全車標準装備する。

さらに先ほど触れたMIパイロット(ハンドルに手を添えておけば高速道路の同一車内を走り続けられる機能)まで装備できるのだ。

走り、安全性、取り回しの良さ、それらすべてをレベルアップさせてきたのがeKワゴンというわけなのだ。

モータージャーナリスト 齋藤聡氏モータージャーナリスト 齋藤聡氏

■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★☆
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★

齋藤聡|モータージャーナリスト
特に自動車の運転に関する技術、操縦性に関する分析を得意とする。平たくいうと、クルマを運転することの面白さ、楽しさを多くの人に伝え、共有したいと考えている。そうした視点に立った試乗インプレッション等を雑誌及びWEB媒体に寄稿。クルマと路面との接点であるタイヤにも興味をもっており、タイヤに関する試乗レポートも得意。また、安全運転の啓蒙や普及の重要性を痛感し、各種セーフティドライビングスクールのインストラクターも行っている。

《斎藤聡》

斎藤聡

特に自動車の運転に関する技術、操縦性に関する分析を得意とする。平たくいうと、クルマを運転することの面白さ、楽しさを多くの人に伝え、共有したいと考えている。そうした視点に立った試乗インプレッション等を雑誌及びWEB媒体に寄稿。クルマと路面との接点であるタイヤにも興味をもっており、タイヤに関する試乗レポートも得意。また、安全運転の啓蒙や普及の重要性を痛感し、各種セーフティドライビングスクールのインストラクターも行っている。

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