【INDYCAR 開幕戦】2年ぶりの王座狙うニューガーデンが先勝…10年目の琢磨は不運なトラブルで初戦完走ならず

#2 ニューガーデンが2019年開幕戦を制した。
  • #2 ニューガーデンが2019年開幕戦を制した。
  • 優勝を喜ぶニューガーデン。
  • #2 ニューガーデンは見事なレースぶりで先勝(予選は2位だった)。
  • 左から決勝2位ディクソン、優勝ニューガーデン、3位パワー。
  • #10 ローゼンクヴィスト(写真先頭)がデビュー戦で健闘、4位でフィニッシュ。
  • ローゼンクヴィストは今季大注目の新人。
  • #30 佐藤琢磨は10年目のインディ参戦を迎えた。
  • 琢磨は第2戦COTAでの逆襲を狙う。

現地10日、「2019 NTTインディカー・シリーズ」の開幕戦決勝レースが米フロリダ州セント・ピーターズバーグにて行なわれ、2017年王者のジョセフ・ニューガーデンが優勝した。参戦10年目となる佐藤琢磨は好内容のレースを見せるも、初戦完走ならず。

今年からNTTがタイトルスポンサーとなった北米最高峰シリーズが開幕を迎えた。5月に開催される第103回インディ500を含む全17レースの戦い、そのオープニングステージは今年もセント・ピーターズバーグ市街地特設コースだ。参戦したのは24台のマシン(シャシーはダラーラ、タイヤはファイアストンのワンメイク。エンジンはホンダとシボレーの2種)。

2019年の開幕戦は、活劇性の高い展開というよりはソリッドで濃密なレースになった。優勝争いは予選でトップ6を占めた強豪チームのマシンのうち5台によって繰り広げられ、彼らが最終的にトップ5を占めることになったが、その5台のなかでジョセフ・ニューガーデン(#2 Team Penske/シボレー)はレース前半、上位序列の真ん中あたりに位置してレースを進め、中盤戦でピット戦略やタイヤ選択、スパート時期をうまくマネージメントして首位に浮上。あとはフィールドを支配して開幕勝利をつかみ取った。

「我々(チーム)はレース前からまさしく正しいこと(戦略)について話をしていたことになるね。そしてシボレーの今週末の働きには、感謝してもしきれないくらいだ。陣営のすべてに感謝している」と語るニューガーデンは、昨年失ったドライバーズタイトルの奪還、2年ぶり2度目の頂点に向けて最高のキックオフを果たしている。

決勝2位には昨年5度目のシリーズタイトルを獲得し、今季は自身初の連覇に挑むスコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/ホンダ)が入った。3位はポール発進だったウィル・パワー(#12 Team Penske/シボレー)。

ここで4位より先に5位を紹介すると、5位は昨季シリーズ2位のアレクサンダー・ロッシ(#27 Andretti Autosport/ホンダ)で、今回の決勝1~3位と5位のドライバー4人はシリーズ王座獲得かインディ500優勝のどちらか、もしくはその両方を経験している猛者たちだった。そのなかに混じって、新人ながら4位に入ったのが“日本経由”のスウェーデン出身選手、フェリックス・ローゼンクヴィスト(#10 Chip Ganassi Racing/ホンダ)だったことは特筆に値しよう。

F3マカオGPで2勝、フォーミュラEでも優勝経験があり、近年はスーパーフォーミュラ(2017年)やSUPER GT(2018年)といった日本のトップカテゴリーを主戦場に活躍していたローゼンクヴィストは27歳。国際的評価も高いのだが、苦労人な面もあり、F1やインディでのビッグチャンスにはこれまで恵まれていなかった。しかし今年は王者ディクソンの僚友としていきなりトップチームでインディカー・シリーズを戦うという、素晴らしい環境を手に入れた。

そして予選3位、決勝レースでは自力でトップ奪取を果たす場面もあるなどした末の4位フィニッシュと、ローゼンクヴィストはどこでも何に乗っても速いという本領を即発揮。今後が楽しみな新人であることは間違いない。

佐藤琢磨(#30 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)はシリーズ参戦10年目を昨季(1勝)と同じチームに所属して迎えた。予選ではマシンの感触に見合った結果を得られなかったが、決勝では20番手発進から次第にポジションを上げてトップ10圏内に進出。しかし(ホンダの発表内容によれば)コース上のゴミがギヤボックス冷却ダクトを塞いでオーバーヒート、ギヤチェンジできなくなるという不運なトラブルによって完走できなかった(リザルトは19位)。

#30 佐藤琢磨のコメント
「今日のレースではみんなが(ほぼ)同じ作戦を採用しており、順位を上げていくのは難しい状況でした。しかし、私たちは着実にポジションアップをしていきました。スタート、リスタートで何台かをオーバーテイクできましたし、バトルを続けてマシンをパスしたこともありました。ピットタイミングも的確で、順位が上がっていきました」

「出場車中のベストではないまでも、どんどん順位を上げていくことができたのは非常にポジティブに考えられることです。フィニッシュできなかったことは本当に残念ですね。クルーたちが見せてくれた素晴らしい頑張りを考えると、あまりにも悔しい結果です」

次戦の舞台はテキサス州オースティンにあるF1アメリカGP開催コースの“COTA”(Circuit Of The Americas)。琢磨は「COTAでの合同テストの結果はいいものでしたし、ダイナミックなコースでのレースが今から楽しみです」と、逆襲に向け闘志を燃やす。同コースでのインディ初実戦となる今季第2戦は2週後、現地24日を決勝日とするスケジュールで開催される。

《遠藤俊幸》

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