フェルナンド・アロンソ、2019年はF1に参戦せず…マクラーレンが発表

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2018年ルマン24時間レース参戦時のフェルナンド・アロンソ。
  • 2018年ルマン24時間レース参戦時のフェルナンド・アロンソ。
  • 2018年ルマン24時間レース参戦時のフェルナンド・アロンソ。
  • アロンソ(マクラーレン)
  • アロンソ(マクラーレン)
  • アロンソ(2000年フランスGP、F1デビュー前) (c) Getty Images
  • アロンソ(向かって左。2001年、ミナルディ)とマルケス (c) Getty Images
  • アロンソ(向かって右。2001年、ルノー)とトゥルーリ (c) Getty Images
  • 2005年ブラジルGPでアロンソ(ルノー)は、F1年間タイトルを獲得。 (c) Getty Images

8月14日、2005~06年のF1王者フェルナンド・アロンソが、今季限りでF1から実質的に引退することが明らかになった。F1での現所属チーム、マクラーレンの公式サイトが「2019年のF1に参戦しないというアロンソの決断を確認し、尊重する」と発表している。

マクラーレンから発せられた「アロンソ来季F1不参戦」の報、その内容とコメントは、将来的な復帰の可能性がないことはないと示唆しがらも、アロンソの今季限りでのF1引退表明と考えていいものだった。同時に、レーシングドライバーからの全面引退を意味するものでないことは明確で、今後の彼のプラン展開にも注目が集まる。

スペイン出身、この7月で37歳になったフェルナンド・アロンソは、21世紀初頭のF1を代表するドライバーである。F1デビューは2001年で、当時のミナルディから。翌02年は当時のルノーのテストドライバーとなり、03年にルノーから実戦復帰、同年ハンガリーGPでは早くも初優勝を成し遂げる。22歳になってひと月弱の時で、これは当時の最年少記録だった(現在でも史上3番目の年少初優勝)。

05年、自身初のF1世界チャンピオンに輝く。これも当時の最年少記録(やはり現在3番目の年少初王座)。そして翌06年には連覇を果たした。07年はマクラーレンに移籍し、最終戦まで自身3連覇の可能性を残すが、惜しくも達成は成らず。以降、08~09年は再びルノーで、10~14年はフェラーリで走り、15年にホンダ製パワーユニット(PU)搭載となったマクラーレンに復帰する(マクラーレンは今季からPUをルノー製に変更)。今季、史上4人目のF1通算300戦出走を達成した。

F1通算32勝は歴代6位(記録はすべて18年第12戦終了時点)。タイトル獲得は若い頃の2回にとどまっているが、ドライバーとしての評価はすこぶる高く、今でも戦闘力あるマシンを手にすればルイス・ハミルトンやセバスチャン・ベッテルに真に対抗し得る存在だという声が聞かれるほどの名手である。

近年のアロンソは世界3大レース制覇にも意欲を見せており、17年にはインディ500に初参戦。今年はルマン24時間レースに初参戦で初優勝(総合優勝)しており、既に優勝経験のあるF1モナコGPと併せて3大レースのうちの2つを制覇済みだ。残すはインディ500だけとなっている。

アロンソは現在、今年と来年のルマン24時間レースを含む世界耐久選手権(WEC)2018/2019シーズンにもトヨタのLMP1チーム(TOYOTA GAZOO Racing)から参戦しており、最終戦である来年(19年)6月のルマンまでの残りレース参戦予定に変更はないものと見られる。来年以降のインディ500再挑戦も視野に入れているはずで、過去にグラハム・ヒルしか達成者がいないとされる世界3大レース制覇に向け、アロンソは邁進していくのだろう(WECのタイトル獲得も当然、現実的な目標になる)。

アロンソは「この素晴らしいスポーツにおけるワンダフルな17年を過ごし、変化と前進を成すべき時が来た。そしてF1の今季残りレースに、私はこれまで以上のコミットメントと情熱をもって臨むつもりだ」とコメント。自身のこれまでのキャリアに関与したすべての人々への感謝も述べつつ、「新たな挑戦、新しい冒険」への意欲も示している。

アロンソの来季F1不参戦はある程度予見されてはいたが、正式表明になったことで来季に向けてのF1シート争いにも影響を及ぼしてくることが予想されるところだ。

《遠藤俊幸》

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