「ゆきみらい2018」は、全国の積雪地の悩みである除雪に関するハード・ソフトの活用を考えるイベント。「ゆきみらい2018 in 富山」が8~9日、富山県富山市で開催された。主催は「ゆきみらい2018 in 富山」実行委員会。
関係者や自治体によるシンポジウムと除雪機械等の展示が行われる。今回の展示では、除雪車両メーカー、架装メーカー、トラック・重機メーカーなどがそれぞれの車両や機械を展示していた。
UDトラックスのブースでは、2017年に発表された新型『クオン』の除雪専用車のベース車両を見ることができた。この車両は、除雪車用に型式の申請をしているところで、次の冬までには十分出荷可能になるという(ブース担当者)。雪がふるまでには、必要な架装を施し、各地で稼働できる状態になるとのことだ。2017年12月から続く今回の大雪に間に合わなかったのは残念だが、今年の11月、12月には新型クオンの除雪車が見られるだろう。
展示ベース車両は「CZ 6×6」という6輪駆動のトラクターを利用する。「GH11」エンジンを搭載し最高出力は420PS。プラウという除雪用のブレードを取り付ける部分は、フレームを延長してをバンパーより前に突出したフロントメンバーがマウントとなる。展示車両はマウントに取り外したヘッドライトやグリルが取り付けられていた。プラウを取り付けるときは、このバンパー部分を取り外す。ヘッドライトやマーカーはウィングライト式にピラーにステーで後付けされる。
新型クオンは、カメラとミリ波レーダーを利用した衝突被害軽減ブレーキやアダプティブクルーズコントロールなども特徴だが、除雪用のプラウが取りつくため(ミリ波レーダーが付けられない)これらの機能はなくなる。
除雪車のラインナップとしては、他にも「CF 4×4」、「CW 6×4」のモデルも用意される予定だ。
まだ正式な発売前ということで、除雪車らしいブレードはついていないが、なぜか会場外には富山県が使っているクオンの除雪車が停めてあった。しかもUDトラックスのOEM供給ということで、ヘッドマークは日野自動車になっている。だが中身はクオンという珍しい車体だ。
重機メーカーでは日本キャタピラもブースを出していた。展示車両はモータグレーダ(12M3 AWD)とホイールローダー(907M)だった。モーターグレーダーは同社のグレードコントロール3D(i-Construction)に対応するモデルだ。施工図データがあれば、除雪も半自動化できる。除雪作業でも、ブレードなどの細かい制御は機械まかせで、ドライバーは運転に集中すればよくなるはずだ。
なお、12M3 AWDは、ジョイスティック式のコントローラでもともとプラウなどの操作もしやすい車両だ。
ホイールローダーには、除雪用のバケットが取り付けられていた。車両と一緒に展示されていたのは、「ブラクステール」というカメラ式の歩行者検知システム。カメラを使っているので、障害物ではなくカメラの視野に入った人間を検知するので、重機の後方や死角に取り付けて、周辺の作業車や歩行者を検知してくれる。自動ブレーキシステムとの連動も可能だ。