ルノー、日産自動車、三菱自動車は、スタートアップ企業を支援する企業ベンチャーキャピタルファンド「アライアンス・ベンチャーズ」を設立し、今後5年間で最大10億ドル(約1200億円)を投資すると発表した。
ファンドは新興企業に投資することで財務リターンを確保しながら新技術や新ビジネスをアライアンスに取り入れるのが目的。新規事業立ち上げ時に戦略的な投資を行い、新たな自動車関連起業家の輩出や新規のパートナーシップを創出する。
ファンドでは設立初年度に車両の電動化や自動運転、コネクティビティ、人工知能など、新たなモビリティに焦点を当てている新興企業や、技術起業家が参加するオープンイノベーションのパートナーシップを対象に最大2億ドル(約240億円)を投資する予定。
ファンドの最初の投資先は、コバルトフリーの全固体電池素材を開発する米国企業のIonic Materials(アイオニック・マテリアルズ)となる。Ionicの株式を取得するとともに、アライアンスは共同開発契約を締結する。Ionicはマサチューセッツ州を拠点に自動車をはじめ、多様な用途に使われる高密度エネルギーバッテリーの性能、コスト競争力を向上する固体高分子電解質を開発している。
ルノー・日産・三菱自アライアンスが発表した戦略的中期計画「アライアンス2022」の期間中、新設するファンドが自動車業界で最大の企業ベンチャーキャピタルとなることを目指す。
アライアンスの会長であるカルロス・ゴーン氏は「ファンドはアライアンスの核である協働の精神と起業家のマインドセットを反映したもの」と述べた。