Oゲージという軌間32ミリの大きな鉄道模型を展示していたのはマイクロキャスト。同社はその名の通り、ミニチュアやアクセサリーなどの小さな部品の精密鋳造を得意とするメーカーだ。
展示していたのは杉並区にある珊瑚模型店のキットだが、他にも鉄道模型メーカーからの依頼で様々な鉄道模型の部品を作っているそうだ。
真鍮の鋳造品を製作する手順としては、まずゴム型を作り、そこにワックス(蝋)を流し込んで蝋型を作る。次に筒に石膏を流し込み、蝋型を入れて固めて石膏型を作り、温度を上げて蝋型を溶かして取り出しす。こうしてできた石膏の雌型に溶かした金属を流し込んで固めるのがロストワックス法だ。
展示されていたSLは鉄道模型としては大きいが、1つ1つの部品は小さなもの。例えば蒸気を制御するバルブのハンドルなどは直径3ミリほど。それでも握って回せる凹凸がキチンと再現されているのを虫眼鏡で確認できた。
3Dプリンターで樹脂や金属部品を作ることもできるが、表面の仕上げや量産を考えると必ずしも最適な生産方法とは限らない。むしろ3Dプリンターでマスター型を作り、ロストワックス法で量産するのも1つの方法だろう。