【新聞ウォッチ】「官製春闘」息切れ---ベア前年割れトヨタ1300円、日産満額見送り1500円で決着へ

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2017年3月14日付

●残業「月100時間未満」で決着、繁忙期上限、首相、労使で要請(読売・1面)

●サウジ「脱石油」支援、経済協力、首相と国王一致(読売・1面)

●東芝決算再延期へ、子会社調査間に合わず(読売・2面)   

●自動ブレーキ車浸透、2020年ほぼ搭載へ、軽も高機能化、価格上昇(読売・11面)

●DeNAサイト第三者委調査、最大2万本、著作権侵害か(朝日・3面)

●トヨタ苦心ベア1300円、3月期営業減益予想、政権に配慮見方も(朝日・9面)

●安全運転で保険料割引、あいおいニッセイ、カーナビで評価(産経・10面)

●名ドライバー、東大生に情熱伝承、「ダカール・ラリー」Vの篠塚さん(産経・23面)

●自動ブレーキ標準装備、マツダ、来年度中に5車種(日経・13面)

●先読みビジネス天気、自動車、米国向け戦略、不透明(日経・15面)

●ブリヂストンの米州事業、「年5~6%成長目標」(日経・19面)

ひとくちコメント

3月15日の集中回答日を目前に控えて、2017年春闘の攻防が大詰めを迎えている。すでに、トヨタ自動車の労使交渉では、賃金水準を引き上げるベースアップ(ベア)が3000円の組合要求に対して月額1300円で事実上、決着。ベア実施は4年連続だが、前年妥結額の1500円を下回るという。

きょうの各紙も春闘関連の記事を取り上げているが、このうち、産経は「トヨタベア前年割れ1300円、子供手当増で改善強調」とのタイトルで「ベアとは別に子供がいる家族への手当を月1100円増額。合わせ技で全体の賃金改善分は2400円と前年実績を上回るようにして、安倍晋三政権が求める賃上げ要請に応える」と伝えた。

また、一時金に対しては、組合要求の6.3カ月分の年間ボーナスは、7年連続の満額回答とするそうだ。

一方、「満額回答は難しい」としている日産自動車については、きょうの日経が「ベースアップ(ベア)に相当する賃金改善を月額1500円とすることで決着する見通しだ」と報じている。ベアの実施は4年連続だが、輸出採算の悪化などで17年3月期の連結業績は減収減益を見込んでおり、「ベアは16年実績(3000円)の半分となる」としている。

日産といえば、昨年の春闘では3000円のベア要求に対し、大手自動車メーカーのなかで、「唯一、満額回答」したことでも話題となったが。だが、今春闘では、トランプ米大統領の通商政策など先行きを懸念する動きもあり、「官製春闘」も4年目にして“息切れ”状態がはっきりしてきたようだ。

《福田俊之》

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