F1登竜門シリーズのGP2が名称変更…今季から「FIA F2 選手権」に

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昨季のGP2のレースシーン。F1を目指す若手有望株が火花を散らす。
  • 昨季のGP2のレースシーン。F1を目指す若手有望株が火花を散らす。
  • GP2は今季から「FIA F2」となる。
  • 昨年のGP2アブダビ大会。中央が王者ガスリー、左が松下。
  • 昨年のGP2アブダビ大会で表彰台に立った松下。
  • 今季「FIA F2」を戦う松下信治(昨年11月のGP2テスト時)。
  • 今季「FIA F2」を戦う松下信治(昨年11月のGP2テスト時)。
  • 2016年GP2王者のP.ガスリーは今季、スーパーフォーミュラに参戦する(写真はスーパーフォーミュラ鈴鹿合同テストでの会見時)。
  • 2015年GP2王者のS.バンドーンは、昨季のスーパーフォーミュラ参戦を経て、今季はF1マクラーレン・ホンダのレギュラーに昇格(写真はF1バルセロナ合同テストでの#2 バンドーン)。

9日、F1の登竜門シリーズとして知られ、日本の若手有望選手である松下信治が参戦している「GP2」が、今季から名称を「FIA Formula 2 Championship」(FIA F2 選手権)に改めることが決まった。スイスで開催されたFIAワールドモータースポーツカウンシルで合意が成された。

GP2は2005年に発足したワンメイクのフォーミュラレースシリーズ。F1との併催を基本とし、F1を目指す若手ドライバーの登竜門シリーズ、それらの筆頭格の地位を国際F3000選手権(1985~2004年)から引き継ぐような格好で始まった。

設立には、つい最近までF1の支配者として知られたバーニー・エクレストンらが関与しており、FIA(国際自動車連盟)の公式シリーズではないが、力をもったシリーズとして多くのF1ドライバーを輩出するなどしてきた。

ただ、05年王者ニコ・ロズベルグ、06年王者ルイス・ハミルトンら、シリーズ発足初期のGP2チャンピオンはスムーズにF1に上がっていったが、近年は様々な事情のなかで王者でも即時昇格とはならないケースが続くなど、F1の登竜門シリーズ筆頭格の地位に疑問符も付く状況となっている。

実際、15年王者ストフェル・バンドーンは翌年(昨季)に日本のスーパーフォーミュラ参戦を挟んでの今季F1フル参戦実現(マクラーレン・ホンダ)となり、昨季GP2王者、レッドブルのジュニアドライバーであるピエール・ガスリーも今季はスーパーフォーミュラを戦うことになっている。

従来はあくまで“私立シリーズ”的な立場だったGP2だが、FIAの名を戴いたシリーズになることで、復権に向けた動きが“多方面からの注力”によって加速するものと見込まれる。

F2の名はまさしくF1に次ぐもので、かつて国際F3000よりも前の時代には欧州F2選手権が存在した。日本のトップフォーミュラの歴史も、現在のスーパーフォーミュラから遡っていくと、フォーミュラ・ニッポン、全日本F3000選手権、そして全日本F2選手権へと辿り着く。また、GP2とは別個にFIA F2という名のシリーズが存在していたことも比較的最近にあるなど、いろいろな経緯を考えると、名実ともに欧州のセカンドフォーミュラが“統一”されたともいえる今回の決定である。

今季2017年のFIA F2には、14年全日本F3チャンピオンで、現在はF1マクラーレン・ホンダのテストドライバーでもある松下信治(のぶはる)の、GP2時代から3年連続となる参戦が決定している。過去2年、1勝ずつを挙げている松下には今季のタイトル獲得、そして来季のF1昇格が期待されるところ。王座獲得となれば、それは新たなFIA F2の初代チャンピオンということにもなる。

《遠藤俊幸》

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