東京~館山 内房線経由直通列車、消滅…「特別快速」最終日

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内房線 館山発東京行き「特別快速」最終日(3月3日)
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千葉・館山と東京を内房線を経由して直通する唯一の優等列車が、3月3日を最後に消滅した。かつての房総特急の役目を引き継ぐかたちで2015年に登場した「特別快速」(東京~館山)だ。同列車は、最終日の3月3日も“普段使い”の客を乗せて淡々と走った。

3月3日、18時前。木更津駅で内房線最後の特別快速 東京行き(5738F・2738F)を待っていると、館山方にヘッドライトを灯して待機するE217系が見えた。館山を発った東京行き4両を先にホームへつかせて、後方から連結する11両編成の灯りだ。

18時ちょうどに、館山を出た4両の特別快速が木更津駅2番ホームに入ってきた。この時点で、館山発の列車の混雑具合は、座席がすべて埋まる程度。車内に立つ客はなかった。

ホームには、最後の特別快速を見届けようという人たちが、11両基本編成と4両増結編成の連結部分に集まった。4両の館山発付属編成は、木更津駅2番ホーム東京寄りにつき、ドアを開けていったん客を降ろすと、再びドアを閉める。

先ほど見えた11両基本編成が後ろからするすると近づいてくる。先頭には青いカンテラをゆらゆらと照らした作業員がいる。10人を超える駅員・乗務員が見守るなか、プァッというクラクションを鳴らしながら、2段階で4両側と連結。ガチャンという衝撃とともに、最後の特別快速が15両編成をつくった。

「電車はもう一度、動きます。電車から離れてお待ち下さい」
「連結作業の安全確認を行っています。安全確認の終了後、ドアが開きます」
「業務放送、5738F車掌、ドア開扉願います」
「2番線から特別快速、東京行き、間もなく発車いたします」

木更津を出発する直前、車内を見てみると、11両基本編成側も4両附属側も、空席があった。グリーン車の乗車率は2割程度。五井へと走る電車のなかで女性車掌のアナウンスが始まった。「この電車は、総武線直通、特別快速、東京行きです。途中、おもな駅の到着時刻をご案内します」。

先頭車両や併結部分では、内房線特別快速の最後を見届けよう、記録しようという人たちで混み合ったが、「担当は木更津運輸区の…です。途中、千葉までご案内します」と車掌が伝えたころには、いつもどおりの内房線の車内に戻っていた。

《レスポンス編集部》

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