関東鉄道に新しい気動車が2両、走り出した。形式名はキハ5010(5011・5012)。製造は新潟トランシス。関鉄ホワイトに、鬼怒川・小貝川をイメージした青と、豊かな大地に波打つ稲穂の黄色、筑波山のマークがつくニューカマーは、2月25日から営業運転に入った。
「今回デビューしたキハ5011、5012は約4年ぶりの新造車。関東・東北豪雨で被災した常総地域の復興のシンボルとなればとの願いが込められている」(関東鉄道)
「安心・安全を追求した車両」という20m級気動車キハ5010形。2009年に導入された5000形(新潟トランシス製)と比べ、「ここが違う」「ここに注目」「この部分が新しい」といった点を、見ていこう。
台車……実績のあるボルスタレス台車(NF01HD・NF01HT)で、空気ばねによる乗り心地の向上を図った。ブレーキ装置はユニットブレーキ方式とし、新たに耐雪ブレーキ装置を装備。
エンジン……排気ガスのクリーンなコモンレール式ディーゼルエンジンを採用。サイズダウン(13000cc→11000cc)しながらも、キハ5000形と同等の性能を維持することで軽量化と燃費向上を図った。
LED照明……客室灯にはLED照明を採用。明るさと環境に配慮した。
2段式吊手……身長の高い人にも低い人にも、握りやすい2段式の吊手を採用。
戸開閉予告灯……全6か所(片側3ドア)の扉上部に、戸開閉予告灯を設置。扉の開閉をわかりやすく知らせることを目指した。
側引戸注意喚起フィルム……ドアが容易に識別できるよう黄色のフィルムを戸尻側に貼り付けた。
非常ハシゴ……異常時に備えて車内に非常ハシゴを搭載した。
キハ5010形のカタログスペックによると、旅客定員は座席44人(オールロングシート)、立席90人、合計134人。車両重量(空車)32.6トン。エンジンはSA6D125-HE2形ディーゼル機関、定格出力257kW・m(350PS)/2000rpm。最大トルク1372N・m(140kg・m)/1400rpm。
ワンマン機器として整理券発行器2台、運賃箱2台、運賃表示器2台、扉予告チャイム6か所などが従来どおりつく。
この5010形の導入に合わせ、同社は3月4日から取手~下館間(51.1km)の直通運転列車を増便。平日は従来の15本から25本(+10本)に、土休日は10本から24本(+14本)へと増やす。また、この直通運転増便にともない、日中時間帯は全区間で1両運転にする。
さらに同社は、3月3日までのキハ5010形の運行ダイヤを公式ホームページに掲載。午前・午後とも取手~水海道間、水海道~下館間、守谷~下館間などの各駅停車で動くほか、夕方の守谷~下館間の快速としても走る。