ブリヂストンは、横浜国立大学、日本交通計画協会と行っている、バス停車時に縁石とタイヤを接触させることで乗降口と停留所の隙間を小さくする共同研究の中で、新たに「次世代正着縁石・路肩形状」を考案したと発表した。
路線バスやBRT(バス高速輸送システム)といったバス輸送では、乗降時のバリアフリー化が大きな課題の一つ。高齢者や車いす利用者、ベビーカー利用者が、安心してスムーズに乗降できるよう、バスと停留所の間の隙間を可能な限り小さくする、正着性が求められている。
ブリヂストンは、共同研究の中で、ドライバーの技量に依存せず縁石への進入角度を制御する手法として、僅かなハンドル操作で自然に縁石にアプローチできる「路肩スロープ」を考案。同時に、縁石接触時のタイヤへの衝撃を緩和する「縁石底ラウンド形状」も有した、「次世代正着縁石」のコンセプトおよび具体的な形状を考案した。
検討に際しては、各種センサーを用いて車両挙動を実測し、正着性の支配因子を抽出。そして、停留所への車両アプローチシミュレーション法を新たに開発し、最適な縁石・路肩形状を求めた。また、次世代正着縁石を設置し、実車を用いた試験を実施。その結果、「欧州一般正着縁石」対比で、縁石と車両との間隔を半減し、目標正着距離40mm以下を達成した。さらに、縁石と車両との間隔のバラツキも大幅に低減。同時に、タイヤサイド部へのダメージ(摩耗量)も低減可能なことを確認した。
ブリヂストンでは引き続き、次世代正着縁石と、縁石と接触するタイヤサイド部に新たな摩耗対策を施した「バリアフリー用新コンセプトタイヤ」の改良を進め、2020年に向けて実用化を目指していく。