10月17日までの4日間の日程で行われたLa Festa Mille Miglia 2016。3日目は軽井沢を出発し、信州から甲府盆地を通り、富士五湖から富士山を回って箱根に至るルートがとられた。
一番新しいモデルでも1960年代とほぼ半世紀の時を経たクラシックカーの数々。古いものではまもなく一世紀、という1920年代のクルマまでが、一般公道を封鎖することなく、現代の自動車に交じって、決められたコースを規定時間内に走行、途中で様々なミッションも与えられながらこなすラリー。難なくということはないながらも、最新のクルマに負けない走りを見せていた。
沿道には、プログラムに出ている、エントラントの名前とクルマのゼッケンを照らし合わせ、ドライバー、コ・ドライバーの名前を呼び声援を送る光景なども見られた。
富士五湖の一つ「西湖」のほとり、富士河口湖町のホテル光風閣くわるびに設けられたチェックポイントで、この日のランチ。あたりよりも少し標高が高く、早めに秋の訪れる湖畔でつかの間の休息を参加者たちは取っていた。
今回の大会で最も若いドライバー浅岡亮太氏は「前日はトラブルもありましたが、3日目はここまで順調。今回の大会で初めてランチを食べることができました。初参加ですが、こういう大人の真剣勝負は他ではなかなか見ることのできないことだと思います。とにかく感想を目指して頑張ります」とトレーに盛り付けたビュッフェスタイルの昼食をもって、足早にテーブルに向っていた。
昼食のあと、午後は富士宮市を経由、この日の最終目的地は箱根芦ノ湖の湖畔だ。日が落ちる時間もすっかり早くなり。ゴールへのラストスパート、芦ノ湖周辺の林間コースを行く参加車両の中には、ヘッドライトをつけているクルマも少なくなかった。
あくる日は、東京神宮前に向けての最終日。駐車場に置いたらあとはおやすみなさいで明日を迎えられるクルマばかりではない。日が落ちた後もホテルの駐車場では、メンテナンスや調整。中には3日間の真剣勝負の中でのほころびを修理するマシンも散見され、遅くまでその灯りが消えることはなかった。
前出の浅岡氏、この日を終えて「こんなにも真剣勝負が繰り広げられていたとは思いませんでした。大人の社交場なんてとんでもない。ここは文字通り真剣勝負の場です。さすがに今日は明日の最終日に備え早めに休もうと思います」と語ってくれた。
クラシックなもの、古いものの美しさはもちろんラ・フェスタ・ミッレミリアの魅力ながら、そのマシンが性能を発揮するのに必要なこと、方法もすべて露わになる。周到な準備を求められるクルマたちでの戦い。今のテクノロジーをもってすれば全く必要のない面倒や、手数を一つ一つ参加者は励行し、それを沿道の観覧者は目の当たりにする。ラ・フェスタ・ミッレミリアの特徴だ。