本田技研工業とヤマハ発動機は10月5日、原付一種のOEM供給などで協業を検討すると発表した。
ホンダとヤマハは、1979年から1983年の「HY戦争」で二輪業界の覇権を争った、いわば宿敵。HY戦争終結から33年、当時の主戦場だった原付領域でのOEM供給について検討を開始する。
今回の協業の大きな要因となったのは、国内独自規格ともいえる原付1種(50cc)の市場縮小だ。電動アシスト自転車や軽自動車など、近距離での移動手段の多様化により、1982年の270万台をピークに、2015年は19万4000台と約1/14まで減少し、いまだ回復の兆しは見えない。
今回のOEM供給では、ホンダが『タクト』『ジョルノ』『ベンリィ』をベースとしたモデルをヤマハに供給。同社は『ジョグ』『ビーノ』『ギア』として販売する。
国内二輪メーカーによるOEM供給は2002年から始まったスズキとカワサキ以来。カワサキは『Dトラッカー』『バリオスII』を供給し、スズキは『250SB』『GSX250FX』として販売。スズキは『スカイウェイブ250』『アヴェニス150』を供給し、カワサキは『エプシロン250/150』として販売。互いの苦手クラスを補完する相互OEMだったが、5年後の2007年に解消している。