一部ディーゼル車に、排ガス試験を不正に逃れる違法なソフトウェアを搭載していたフォルクスワーゲングループ。同社を米国の3州が提訴した。
これは7月19日、米国ニューヨーク、マサチューセッツ、メリーランドの3州の司法当局が明らかにしたもの。フォルクスワーゲングループを相手取り、民事訴訟を起こしたことが公表されている。
今回の問題では、フォルクスワーゲングループの一部ディーゼル車に、違法なソフトウェア、「ディフィートデバイス(無効化機能)」を装着。このソフトウェアは、車両がダイナモ上で排出ガス検査を受けていることを、ステアリングホイールや車輪の状態などから察知。排出ガス検査の時だけ、排出ガス浄化機能をフル稼働させて、検査をクリアしていた。
一方、通常の走行状態では、顧客が望む燃費や動力性能を実現するために、ソフトウェアの無効化機能が作動。排出ガス浄化機能が無効化されるために、排出ガス基準を大きく上回る有害物質を放出していた。
今回、米国ニューヨーク、マサチューセッツ、メリーランドの3州の司法当局は、フォルクスワーゲングループを民事提訴。「3州の排ガス規制を不正に逃れ、それを隠して新車を販売した」と非難し、民事制裁金の支払いを求めている。