気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2016年5月23日付
●消費税迫る首相判断、増税延期残る「壁」発言の整合性、与党内の説得(読売・3面)
●広がるカーシェアリング、短時間の利用で経済的(産経・21面)
●夏のボーナス1.98%増、本社中間集計、製造業は伸び鈍化(日経・1面)
●激動・三菱自1 支援要請「やはり来たか」(日経・2面)
●休業補償5月分まで受諾、三菱自労組、6日目以降100%水島製作所(日経・5面)
ひとくちコメント
国内の新車販売にも大きな影響を及ぼす消費税増税問題。安倍晋三首相が来春の消費税10%への引き上げの是非について、今週5月26、27日に開催する主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)直後にも表明するという。
すでに、多くのメディアでは「消費増税見送り」を報じており、増税先送りを最終決断する構えだが、きょうの読売によると「過去の発言との整合性をどう取るかなど、いくつかのハードルが残っている」と伝えている。
では、10%先送りの場合はどんな影響があるのか。「低迷する個人消費が一段と落ち込むのを防ぐ役割を果たしそうだ」(読売)と指摘。一方、国民の生活に身近な社会保障にとっては、マイナス。増税の延期で、その財源が不足することになるからだ。
そんな中、きょうの日経が2016年夏のボーナス調査の中間集計結果を公表。製造業の伸びの鈍化が鮮明になったようだが、それでも前期好決算の自動車・部品では、34社の平均支給額は105万円(38.9歳)を超えている。春闘では賃上げを抑えて好業績の分はボーナスで還元することを決めているからだ。
ただ、自動車業界もいつまでも好決算を続けられるわけではない。円安による追い風から逆風に変わる。3兆円を超えた為替の押し上げが、一転して今期は2兆円の減益要因になるとみられている。
燃費データの不正が発覚した三菱自動車やスズキは言うまでもなく、ボーナス戦線を控えた他のメーカーの販売店でも来店客数は少なめという。消費増税の先送り是非の決断もいいが、この際、景気を浮揚させるなら再び5%に戻すぐらいの減税を打ち出してはどうか。