【アウディ Q7 試乗】その“おもてなし感”にやられてしまう…諸星陽一

試乗記 輸入車
アウディ Q7 3.0TFSIクワトロ
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世界的に市場が加速しているラージクラスSUVとしてアウディが手がけたのが『Q7』。試乗車は今年登場した現行モデルで、2代目にあたる。

今回の試乗会はベースから駐車場まで、Q7の助手席と後席に乗って移動…という動きから始まった。わずか200mかそこらの距離だが、この同乗試乗でQ7の底力をまず感じた。とにかく乗り心地がいいのだ。こんな乗り心地のクルマで送迎なんてされた日にゃ、そのおもてなし感にやられてしまう。試乗時も4人で2台(もう1台はA4アバント)という乗り方だったので、Q7の後席を満喫できたが、その乗り心地のよさはLセグメントのセダンを凌駕する。試乗車はコンベンショナルな金属バネ仕様であったが、乗り心地はピカイチだった。

試乗車のQ7 3.0TFSIクワトロは3リットルのV6スーパーチャージャー付きエンジンを搭載するモデルで、最高出力は333馬力、最大トルクは440Nmを発生、ミッションは8速のティプトロニックが組み合わされる。車重は2トンを超えるが、トルクフルなエンジンに助けられて力強い加速を見せてくれる。ATのショックもなく、見事なほどのスムーズさで高速道路への流入、巡航状態へと移行する。

加速時のクルマの姿勢も良好。フロントを持ち上げるようなこともなく、フラットな姿勢を保った状態で加速してくれる。パワーの出方、サスペションの動き、4WDのトルク配分、さまざまな要素が入り交じってのこの結果だ。静粛性も抜群に高い。ここにアダプティブエアサスペションが加わったら、どこまでの乗り心地を示してくれるか興味津々。もちろんエアサスにしたからと言って、必ずしも乗り心地がよくなるとは限らないが…。

コーナリングやレーンチェンジといった動きに対してもシャシーの動きはいい。ステアリングの切れ角に対するボディの動き、ロール感、どれをとっても高レベル。考えてもみてほしいのだが、このクルマの車重は2トン、車高は1735mmもある。その大柄なボディが手に取るように動かせる。これはすごいことだ。

1列目、2列目シートの快適性は文句なし。試乗車はオプションとして「7シーターパッケージ」が装着されていたので、サードシートが存在するが、これはさすがに狭い。大人が乗るにはちょっと無理がある。もちろん、ちょっと昼飯食いに行くのに使う程度ならありだが、このクルマに乗っていてちょっと昼飯食いに行く行動はあまりないだろう。

さて、クルマとしての評価だ。Q7 3.0TFSIクワトロはオプションのない状態で929万円。試乗車は7シーターパッケージ、Sラインパッケージ、バング&オルフセンのオーディオなどが追加され1216万円。かなりの高価だが、その価値はあると言える。しかし現実として、普通の人が普通に買えるクルマではない。このクルマを生かすなら、接待で長距離を移動する必要がある人などだろう。ただし、シート高は高いので乗り込みはセダンほど楽ではない。そうしたことを理解してもらえるゲストがいる人がベストだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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