路上で寝るな、死亡事故倍増で警視庁「寝込まナイトキャンペーン」

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「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」は、飲酒運転撲滅のかつての標語だが、これに加えて新たに加わりそうなのが「飲んでも寝るな」を訴える警視庁の「寝込まナイトキャンペーン」だ。

東京都では、歩行者が飲酒後に路上で寝込んでしまったことが原因で起きた交通事故が、昨年14件あった。そのうち死亡事故は10件。一昨年の5件から倍増し、この増加傾向に歯止めをかけたいと、今年元旦から開始した。交通規制課は「今年に入ってからの事故は、集計中で不明」というが、今年に入ってからも重傷事故が発生している。

明け方になると繁華街などでは、道路上に顔を向ける格好で、歩道の段差に腰を下ろす姿を見かける。暗闇や千鳥足で接触する例もあるのかと思いきや、こうした寝込みで被害にあうのは、もっと大胆なものだ。

「幹線道路ではさすがに寝られないが、夜になると往来が途絶える準幹線道路や農道のような場所でも起きている。高速道路のような立ち入ってはいけない場所に侵入する場合もあるし、23区でも事故は起きている。被害状況はさまざまだが、道路の真ん中で寝込んでしまう事故は珍しくない」と、交通総務課関係者は語る。

これからの季節、屋外でも眠ることができる気温になり、泥酔して道路で寝込んでしまうケースは増えることが予想される。警視庁ではタクシーや新聞配達など深夜から明け方に活動する事業所を中心に注意を呼び掛ける。さらに、一般の運転者にも免許更新時の講習などで、道路に寝込んでいる人がいる可能性を訴えている。

また、道路で寝込んでいる人を発見した場合は、通報を求めている。車両であればハザードランプを点滅させるなどして現場を明るくして事故を防止しながら、警察官の到着を待つ。

「寝込まナイトキャンペーン」は、連休や歓送迎期など飲酒の機会が増える機会を捉えて、9月末日まで続く。運転する人も、歩行者も飲酒事故に注意だ。

《中島みなみ》

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