VRが示す新しいものづくりの形、NVIDIA「Pro VR」…自動車業界への普及目指す

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Pro VR(GTC16)
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現在、体感アトラクションやビデオゲームで広く普及しつつあるVR(ヴァーチャルリアリティ)。4月4日から7日まで米サンノゼで開催されたGTC(GPU Technology Conference)では、米半導体メーカーNVIDIAがVRを活用して自動車の開発などを行う「Pro VR」構想を提言した。

すでに、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)型のPC向けVR機器「Oculus Rift」や「HTC Vive」は一般向けに販売されており、家庭でVR対応ゲームなどを楽しむことができる。最近では、お台場のダイバーシティが「HTC Vive」などを活用したVRアトラクション施設「VR ZONE Project i Can」をオープンし、日本でも注目が集まっている状況だ。

GTCで行われたプレス向けのQ&Aセッションでは、NVIDIAプロフェッショナル・ソリューション・グループのシニアディレクターSandeep Gupte氏による「Pro VR」の説明が行われた。同氏は、プロフェッショナル向けのVR技術は医療や建築、そして自動車開発など多くの分野で活用できるとしている。現在、研究機関の大型モニターやElbit Systemsが開発した360度の球体モニターといった一部の特殊なモニターで行っていた研究・開発は、VR HMDに映し出される仮想空間で行うことが可能になっていく。

自動車のプロトタイプをフォトリアルなコンピューターグラフィックで作成している自動車メーカーは、VR空間では実物大で確認することができる。Gupte氏は、この技術はすでにフォードモーターで活用されていることをスライド写真と共に説明した。GTCのエキスポ会場でも、アウディが同様の技術を用いたデモも行っており、来場者は実際に体験もできた。

また、今イベントのキーノートでは、「3DS MAX」や「Autodesk MAYA」と連動するレンダリングエンジン「Iray」のVR対応も発表され、よりフォトリアリスティックなバーチャル環境の構築を可能とした。同時に、モバイルワークステーションでVR技術を活用するための新しいGPU「Quadro M5500」や低価格モデルとなる「Quadro M2000」、VR対応ソフトウェアが快適に動作するシステムおよびワークステーションに添付されるビジネスユーザー向けの「VR Ready」プログラムの発表も行われている。

こういったVR技術は、開発環境だけでなく自動車ディーラー向けのマーケティングにも活用される予定だ。店舗に実車がなくとも、顧客は仮想空間で試乗したり様々な角度から自動車のフォルムを確認できるようになるなど、VR技術は幅広い活用が期待されている。

《佐藤大介》

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