日本自動車工業会の池史彦会長(ホンダ会長)は3月17日、定例の記者会見を開いた。今回の会見が自工会会長としての最後の会見で、池会長は2年間の任期を振り返りながら、自動車業界の今後の展望について次のように話した。
「足元は必ずしも楽ではないが、将来展望については、次世代自動車、自動運転など、車が通信などあらゆる産業やインフラと結びつきながら発展していくという大きな可能性を秘めている」。
例えば、自動運転については最近起こった不幸な事故を引き合いに出しながら、そのような事故を減らすことに役立つとの見解を示した。ただ、自動運転には、自動ブレーキなど安全技術を一つずつ積み上げていく必要があるとのことだ。
そうは言っても、事故をなくすには自動車業界だけでは難しい面もあり、「関連する業界、省庁と連携を取りながら進めていくことが必要だ」(池会長)という。
また、ロボットタクシーのような新たな動きが出てくることを期待する姿勢を見せた。「自動車メーカーだけではイノベーションが難しい時代になってきた。チャレンジャーとして新たなイノベーションを起こすということは、大きな刺激になるし、新たな発想に結びつくこともある」と池会長。
文字通り、車とそれを取り巻く環境はいま大きく変わりつつあり、これから新しい動きが次々に出てきそうだ。