STマイクロエレクトロニクスは3月1日、大手車載機器メーカー向けに、長距離測定に対応した最新の車載ミリ波レーダー用トランシーバIC(77GHz)の出荷を開始したと発表した。
これまで24GHzの車載レーダーは、死角検出、衝突防止、車線逸脱警告など、短・中距離レンジでのスマートドライビング機能を低コストで導入できることから、自動車のレーダーシステム搭載を牽引してきた。しかし、現在、市場では、高速アダプティブクルーズコントロール(ACC)など、77GHz技術が適した高出力長距離レーダーを使用する次世代機能への期待が高まっている。高い周波数では、アンテナを小型化できるとともに、短・中・長距離レーダーを必要とするADASに同じ技術を適用できるため、システム設計の簡略化と製品開発期間の短縮につながる。
今回STは、高集積の77GHz車載ミリ波レーダー用トランシーバICを新たに開発。新製品は、77GHzトランスミッタ3個およびレシーバ4個を1チップに集積し、シンプルかつ小型のシステムを低コストで設計できる。また、物体認識機能と解像度を向上させるマルチチャネル・アーキテクチャを採用し、走行中の高い性能と信頼性を実現する。
現在、マルチチャネル対応の77GHz車載ミリ波レーダー用トランシーバICはサンプル出荷中で、2017年3月に量産を開始する予定。