2月上旬、デリー近郊のグレーターノイダで開催されたデリー・オートエキスポ(デリーモーターショー)。海外メーカーはインド専用モデルとしてコンパクトセダンを投入する例が目立っている。
インドで頻繁に見かけるのは、ハッチバックモデルに短いトランクリッドを追加したような「セミノッチバック」とも呼ばれるコンパクトカーだ。これは高いセダン需要とインド特有の税制を勘案した結果に産み出されたもので、路上の風景を特有なものにしている。
インドでは国内で製造された車両の購入時にかかる物品税の比率が、全長4mを境界として大きく変化する。サイズの小さいほうが税率も低くなるのは当然で、このため各社は競って「インド専用の、全長4000mm未満のノッチバックセダン」を開発しているわけだ。
そして今回のデリーショーではVWが『ポロ』にトランクルームを追加した『AMEO(アメオ)』をデビューさせた。インドではすでにポロとプラットフォームを共有するセダン『ヴェント』を販売しているが、全長は4000mmを大きく上回っている。このためポロと同クラス、同価格帯のセダンとしてアメオを投入し、市場競争力を高める考えだ。アメオのエンジン排気量はガソリンが1.2リットル、ディーゼルが1.5リットル。今年後半に発売となる予定。
またシボレーもハッチバックの『ビート』をベースにした『ESSENTIA(エッセンティア)』を初公開。寸法は公表されていないが、ビートの全長が3675mm程度ということを考えると、エッセンティア も4000mm以下に収まっていることは確実だろう。
このクラスはすでにマルチスズキの『スイフト・ディザイア』をはじめ、フォードが昨年後半に発売した『FIGO ASPIRE(フィーゴ・アスパイア)』それにヒュンダイ『XCENT(エクセント)』といった人気車種がひしめく激戦区となっている。
また地元のタタも『ZEST』に加えて、今回新たに『KITE 5』をデビューさせている。今後はさらに選択肢が充実し、コンパクトSUVとともに市場を牽引してゆくことになりそうだ。