東洋ゴム、防振ゴムに関する不正で調査報告書を公表…原因は「規範意識の低さや人員不足」

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防振ゴムで不正のあった製品の使用例
  • 防振ゴムで不正のあった製品の使用例

東洋ゴム工業は、防振ゴムの不正事件での外部弁護士を含む社内調査チームがまとめた調査報告書を公表した。

調査報告書は、子会社である東洋ゴム化工品の明石工場で製造・販売した防振ゴム製品の一部で、納入先に交付している検査成績書に不実記載していた疑いについて、事実経緯の確認と原因究明を目的として作成した。

調査は、1995年頃から2015年8月までの期間、明石工場における防振ゴムの品質保証関係業務を対象とした。社内調査チームは、2015年9月11日から2015年12月18日までの間、従業員と元従業員ら合計33人に対してヒアリングした。

調査結果によると、ヒアリング対象者のうち一部が、検査成績書の作成や、その元になる材料試験で不正行為を自認しており、明石工場の品質保証課において不正が長期にわたり行われていた。

不正が行われた主な原因は、材料試験の実施者・検査成績書作成者の規範意識の低さ、業務が多忙であるのに対し人員を含むリソースが不足していたこと。また、実現可能な業務工程が設計されておらず、社内マニュアルも作成されておらず、あるべき業務が明確化されていなかったこと、材料試験の実施者・検査成績書の作成者の行動規範を醸成する社内教育の不足などを挙げる。

不正行為者の上司と、課長より上位の管理者の一部について、社内調査の端緒となった2015年8月20日の報告よりも前に、不正行為が行われたことを認識しながら対応をとってこなかったと見られる。上司、管理者による管理不足の主因は、職務上の責任感の低さ、組織管理体制の不備、管理者と部下、同僚とのコミュニケーション不足、管理者の技術や業務フローに対する知識不足などを挙げる。

不正行為としては材料試験の結果数値の改ざん、実際には材料試験を行っていないにもかかわらず、検査成績書を作成するため、過去の材料試験の結果を転用して検査成績書に記載するなどの行為があった。

《レスポンス編集部》

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