【インタビュー】日本の自動車メーカーとのビジネスは順調に推移…ボッシュ役員

自動車 ビジネス 企業動向

ボッシュの取締役会メンバーであり、自動車機器直納(OE)ビジネス/マーケティング/アフターマーケット事業部といった中核事業を担当するマルクス・ハイン氏
  • ボッシュの取締役会メンバーであり、自動車機器直納(OE)ビジネス/マーケティング/アフターマーケット事業部といった中核事業を担当するマルクス・ハイン氏
  • ボッシュの取締役会メンバーであり、自動車機器直納(OE)ビジネス/マーケティング/アフターマーケット事業部といった中核事業を担当するマルクス・ハイン氏
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  • インダストリー4.0アッセンブリーラインが設けられているボッシュ ホンブルク工場
  • インダストリー4.0アッセンブリーラインが設けられているボッシュ ホンブルク工場
  • ボッシュのマイクロメカニカルセンサー(MEMS)
世界最大の自動車部品サプライヤーとして、ドイツのみならず日本を含む世界の自動車メーカーへ部品を供給するボッシュ。先頃、シュツットガルト郊外に日本円で約440億円を投じてR&Dセンターを新規で立ち上げ、またインダストリー4.0の旗手として産学との連携を積極的に図るなど、その意欲的な活動は目覚ましい。

先日、そのボッシュの取締役会メンバーであり、自動車機器直納(OE)ビジネス/マーケティング/アフターマーケット事業部といった中核事業を担当するマルクス・ハイン氏が来日したのに合わせ、インタビューを実施した。


◆製品を開発するのはサプライヤー、それを車に統合するのはカーメーカー

----:VWグループのディーゼル排ガス不正問題では、ボッシュがサプライヤーとして供給しているパーツがあるとのことだが。

マルクス・ハイン氏(以下敬称略):フォルクスワーゲングループとの契約があるので、詳細なことは言えないが、サプライヤーとして一般的なことを言うと、我々はカーメーカーの要求に基づいて製品を開発するが、その製品を車に統合(キャリブレーション)させるのはカーメーカーの責任。ソフトウェアであっても同様で、ソフトウェアを当社が開発したとして、そこに各種のパラメーターを入力するのはカーメーカーだ。サプライヤーからどこに境目があるのかは見えない。

----:シャシー台における計測とリアルワールドの乖離があるのは現状だが、それがリアルよりになっていくと考えるか。

ハイン:一般のドライバーやエンドカスタマーにとってもそうなることが理想であり、メリットをもたらしてくれるはずだ。われわれとしては、試験のサイクルを現実に近づけるという所でサポートしている。おそらくヨーロッパでは今回の不正問題後、今後の排ガス・燃費のモード測定方法について新たな意志決定がなされるだろう。

----:排ガス基準がより厳格化されることも予想されるが、電動化技術など、その対策のためのコスト上昇は避けられないのでは。

ハイン:当社は電動化技術も内燃機関の技術も全て揃っており、技術の進化でコストは下げられる。自動車メーカーが弱いところを逆にサポートすることもできるだろう。全世界に拠点を持つ当社は、世界のどこであっても現地に近いところでプロジェクトを遂行できる体制を整えている。電動化は進化する、ハイブリッドも進化する。内燃エンジンの弱いところを電気的な部分でカバーできる。


◆日本のカーメーカーとの取り引きは順調に推移

----:ハイン氏は、自動車機器直納(OE)ビジネス事業部、マーケティング、販売、オートモーティブ アフターマーケット事業部が担当領域とのこと。OE分野での日本メーカーに対するビジネスの展開はどうか。

ハイン:日本のOEMとのビジネスは非常に順調に推移している。日本のお客様とのプロジェクトは増えている。2014年に13%の伸びを記録した。

----:ボッシュは、ドイツ国内においてインダストリー4.0にもっとも積極的な取り組みを見せている企業のひとつ。役員として、インダストリー4.0や通信に繋がったスマート工場の導入効果を実感する機会はあるか。

ハイン:インダストリー4.0における当社のアプローチでは、リードタイムの短縮など具体的な指標を見ながら効果を計測している。たくさんのデータを生産工場から取り込むことができるようになったが、こうしたデータをもとに従業員たちがアイディアを出して生産性向上に取り組んでいるところだ。

----:インダストリー4.0のコンセプトは、ネットワークに接続されたスマート工場を国内のみならず国外にも輸出して、全世界で生産性向上を実現させるという狙いがある。この輸出の過程でスマート工場のノウハウや知見が外部へ漏れたり、逆に盗まれる心配はないのか。

ハイン:インダストリー4.0というものは、具体的な素材がなければコンセプトだけでは機能しない。例えば当社が自社で生産しているようなマイクロメカニカルセンサーがないとデータの収集は行えない。現在はノウハウを蓄積する段階であり、注力すべきはもっと学習速度を速めること。きちんとした生産システムを確立するのには長いプロセスが必要で、成熟させるには相応の時間が必要だ。

----:プレゼンテーションでは、渋谷の本社内にオープンした「ボッシュ・カフェ」にも触れていた。実際に足を運んでみた感想は。

ハイン:スピーチで取り上げる以上は自分で行かなければね(笑)。当社としては非常に珍しい試みであり、ドイツ本国でも話題になっている。出されるメニューも本格的なものだ。

ボッシュ(日本法人)代表取締役社長 ウド・ヴォルツ氏:ボッシュがカフェをオープンさせるというのは、世界を見渡しても初めて。そのような初めての試みをこの日本でできたというのは誇りに思っている、ハイン氏が気に入ってくれたのは嬉しいし、カフェに訪れた他の役員も良い印象を持ってくれた。

ボッシュ・カフェは、当社の特長でもある伝統と技術革新の強みを組み合わせてひとつの場所で提供するというのがコンセプト。食事も質が高いものにこだわり、レイアウトやインテリアも工夫している。品質をあくまで追求するという姿勢を、カフェに訪れたお客様に感じ取っていただければ。実際、お客様の反応も上々でオープンして良かったと思っている。
《北島友和》

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