ヤマハの二輪、規模を追わずに経営効率と商品力で収益力アップ目指す

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ヤマハ発動機の柳弘之社長
  • ヤマハ発動機の柳弘之社長
  • ヤマハ発動機の渡部克明上席執行役員
  • 新中期経営計画の説明会で映し出された二輪車事業のスライド
  • 新中期経営計画の説明会で映し出された二輪車事業のスライド

ヤマハ発動機は12月15日、新中期経営計画(2016~18年)を発表した。その中で、最大の事業である二輪車事業について、「高効率型」の事業経営を目指していく方針を打ち出した。

「数量規模を追わず、高い経営効率と商品競争力によって、安定収益の体質づくりを行っていく」と二輪車業担当の渡部克明上席執行役員は説明。そして、売上高と営業利益を2015年の1兆500億円、370億円から2018年にはそれぞれ1兆3000億円、740億円を目指すとした。ただ、配られた資料には台数目標についての記載がなかった。

高い経営効率については、エンジンや車体などの集約を進めて商品開発の効率化を図り、さらなるコストダウンを進める。しかし、販売モデル数については逆に増やす計画だ。また、これまで進めてきた取引先の選別をさらに加速、80%の領域で現在の650社から350社に絞り込む。これによって、購入材料費の5%圧縮を行う算段だ。

高い商品競争力については、先進国市場と新興国市場を分け、先進国ではさらにブランド力を追求、一方新興国では「新しい価値・旬を届ける」をテーマにそれぞれの市場に合ったものを「早く」「安く」投入する。

「これまで二輪車そのものの収益力が低かったのは否めない。2018年には6%弱まで回復させ、10%ぐらいの収益率を引き続き追っかけていきたい」と柳弘之社長は力強く語る。

ヤマハ発動機の二輪事業は3年ほど前まで赤字に苦しんでいたが、「ヤマハらしい商品」を目標に新商品を投入。それが奏功し、ヤマハファンも増え、業績も大きく伸びた。おまけに今年は「鈴鹿8耐」「MotoGP」と大きなバイクレースでトップに輝き、社員の士気も上がっているという。柳社長としては、この勢いに乗って次の3年間を引っ張っていきたい思いだろう。

《山田清志》

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