【G空間EXPO15】ゼンリン、3D都市モデルデータを災害や建設分野でシミュレーション活用

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体験型の都市洪水・浸水シミュレータ。VRヘッドディスプレイも体験できる
  • 体験型の都市洪水・浸水シミュレータ。VRヘッドディスプレイも体験できる
  • カーナビの3D交差点データを活用した
  • 展示概要を示したパネル
  • 「G空間EXPO15」のゼンリンコーナー
  • BIM/CIMでの活用例を示す展示
  • esri社が開発した風の流れを加えた
  • 流れをタテ方向に切り換えた
  • G空間EXPO15の会場入口

世の中に存在する地理空間情報に関係する技術を展示する『G空間EXPO2015』が11月26日より28日まで開催。ゼンリンは昨年に引き続き3D都市モデルデータを活用した体験型の都市洪水・浸水シミュレータ他を出展した。

“災害大国ニッポン”と言われる中で、広域複合災害への備えは最重要課題となっている。都市洪水・浸水シミュレータはその対処の一つとして出展されたもので、実際に住んでいる街で災害が発生した際の影響を3D地図でリアルに再現できるのがポイントだ。

デモでは洪水発生時をシミュレーションし、洪水の高さをリアルタイムで表示。実際の街並みを再現した3Dモデルならではのリアリティあふれるれる映像は、洪水時の影響を瞬時に把握できるようになっていた。会場にはVRヘッドセットも準備し、その状況を周囲360度に渡ってバーチャル体験できたのが好評だった。

担当者は「シミュレータで建物まで再現できるのは全国政令指定都市が対象。カーナビゲーションで使われている3D交差点マップを利用しているからで、そのため低コストでシミュレーション再現が可能となった」と活用メリットを話した。

もう一つの展示は、主として建設や土木分野でのプロジェクト提案などで役立つBIM(Building Information modeling)/CIM(Construction information modeling)での活用事例だ。ゼンリンの関連会社であるジオ技術研究所(ジオ研)が開発した3D地図に、都市内部の風の流れを解析したデータを加えると建物建設時の周囲へ与える影響を事前に把握が可能になる。また、薬品散布などを使ったテロ対策としても有効だという。

担当者によれば「基礎データはこれまで国土地理院の地形データをダウンロードし、ゼンリンの二次元地図を購入してそこにある高さデータを一つひとつ反映させる必要があった。そのため、作業は複雑で時間もかかる。それがジオ研が開発した地図データを活用すれば、コストはその分だけかかるものの、より速く手軽に自前のPCで反映できるようになる。スムーズなプレゼンテーションを行うのに貢献できる」と話す。

ゼンリングループは、3D地図を使った様々な分野でのGIS(Geographic Information System)活用を提案しており、当出展はその活用メリットを広く知ってもらうことが目的。災害対策として自治体で活用される事例は急増しており、ゼンリングループとしてもそうした分野での社会貢献を果たしていく考えだ。

《会田肇》

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