OKIは、日産自動車栃木工場に、低速移動体に対応した「920MHz帯マルチホップ無線ユニット」を納入したと発表した。
日産栃木工場は、工場内で稼働する無人搬送車(AGV)の遠隔での状態監視・制御を行うシステムの通信手段に、電波到達性の高い低速移動体に対応した「920MHz帯マルチホップ無線ユニット」を採用。AGVとの通信で高い信頼性を確保しつつ、システム導入時の機器や配線コストを、他の無線帯域を使用した従来システムに比べて70%の削減を実現した。
同工場では、自律的に走行する約80台のAGVの現在位置やバッテリーの蓄電量、センサーの異常検知など、稼働状態をリアルタイムで把握することが困難で、AGVを一元的に監視・制御できるシステムの導入を検討していた。OKIの「920MHz帯マルチホップ無線ユニット」は、障害物が多い工場内でも電波が回り込んで通信できる920MHz帯無線を採用。少ない中継機でシステムを構築できることや広い工場内でも安定して通信ができる信頼性が評価され、採用が決定した。
今回納入した「920MHz帯マルチホップ無線ユニット」は、個々のAGVに搭載。工場内に設置した28台の中継機を経由して通信を行うことで、安定した無線通信を実現している。中継機の台数は従来システムの1/4、導入時のコストも削減している。日産栃木工場では今後、工場内で稼働する他の移動機器の遠隔監視制御システムや、工場内のセンサー監視システムなどへ920MHz帯マルチホップ無線の適用を検討する予定だ。