気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2015年11月6日付
●タカタ製不使用広がる、エアバッグ装置、マツダ、富士重も表明(読売・1面)
●TPP概要公表、車、金融に厳し(読売・2面)
●トヨタ、営業益最高、1兆5834億円円安が追い風、9月中間、通期予想は据え置き(朝日・8面)
●新プリウス、来月9日発売,燃費向上、価格10~20万円アップ(朝日・8面)
●ガソリン今年最安値、1リットル132.7円、5年ぶり水準(朝日・9面)
●仏政府、ルノーに圧力、日産との合併要求、影響力の保持狙う(毎日・7面)
●首相、規制緩和を指示、自動運転車、ドローン、新技術、官民対話(産経・2面)
●自動車45社最高益、9月中間、円安・北米市場好調続く(産経・10面)
●VW不正ガソリン車波及、独検察が調査着手(東京・3面)
●賃上げ、月内回答迫る、首相、官民対話で協力要請、トヨタ社長「引き続き努力」(日経・3面)
●タカタ株がストップ安(日経・11面)
ひとくちコメント
上半期としては2年続けて過去最高の営業利益を更新したトヨタ自動車などが発表したことで、自動車メーカー8社の2015年9月中間連結決算が出そろった。
きょうの各紙も「トヨタ、営業益最高」との記事の後で「大手4社、過去最高益」などと取り上げている。それによると、トヨタのほか、日産自動車、富士重工業、スズキの4社が税引き後の最終利益でも中間期として過去最高を記録した。消費増税以降は、各社とも国内販売は苦戦しているが、円安に加え、北米やインドなど好調な海外市場を得意とするメーカーは好決算となった。
半面、東南アジアの不振やタカタ製エアバッグのリコール(回収・無償修理)費用などが膨らんだ三菱自動車とマツダ、主力の軽自動車が落ち込んだダイハツ工業の3社は、前年同期に比べて減益となり、車種構成や地域別の経済情勢の影響で明暗を分けたようだ。ちなみに、増収減益は三菱自動車とマツダで、減収減益となったのは、ダイハツ1社だけだった。
自動車各社の中間決算発表は、東京モーターショーの会期中だったが、そんな明るい話題よりも質疑応答では、業績の足を引っ張る悪材料となりかねないタカタ製エアバッグの使用をめぐる対応が相次いだ。
最大の取引先ホンダに続き、富士重、マツダ、三菱自、さらに、きょうの日経によると「日産自動車も新規には採用しない方針」と伝えている。
一方、トヨタは「より良いものを採用していきたい」(早川茂・取締役専務役員)と明言を避けた。トヨタが「不採用」を鮮明にすれば、タカタの経営はさらに窮地に追い込まれるだけに曖昧な表現にとどめたものとみられる。