排ガス試験を巡る不正により、創業以来、最大の危機に直面しているフォルクスワーゲングループ。同社が打ち出していた投資計画の見直しについて、具体的内容が公表された。
これは10月13日、フォルクスワーゲングループが明らかにしたもの。同社は、「当初の計画に対して、毎年10億ユーロ(約1365億円)の投資を削減する」と発表している。
ここ数年、フォルクスワーゲングループは、世界規模で積極的な投資を実行してきた。狙いは、2018年までにトヨタを世界販売と収益性で上回り、世界一の自動車メーカーになること。
同社は2014年11月、総額856億ユーロ(約11兆6700億円)の大型投資計画を発表。2015‐2019年の5年間にかけて実行されるもので、新型車や新たな環境技術の開発、新工場の建設などに充当される予定だった。
今回の発表により、この総額856億ユーロの大型投資計画も見直されることに。投資によって、環境性能に優れる新型車を効率良く生産し、新車販売を伸ばして収益性を高めてきたフォルクスワーゲングループ。投資の削減で、成長戦略が修正を余儀なくされることになる。