【WEC 第6戦】富士でもポルシェが予選1-2を独占…アウディ3-4位、トヨタ5-6位

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
ポールを獲得した#17 ポルシェ919 Hybrid
  • ポールを獲得した#17 ポルシェ919 Hybrid
  • ポールを獲得した#17 ポルシェ。
  • 予選ポールポジションの共同会見(各クラスのポール獲得者らが出席)。
  • #17 ポルシェのマーク・ウェーバー。
  • #18 ポルシェ919 Hybrid
  • #18 ポルシェ919 Hybrid
  • #7 アウディR18 e-tron quattro
  • グランドスタンド裏ではAKB48「Team 8」のステージも開催。

富士スピードウェイで開催中の世界耐久選手権(WEC)第6戦は10日、公式予選日を迎え、LMP1クラスではポルシェ「919 Hybrid」の17号車がポールポジションを獲得した。予選はポルシェ1-2でアウディ3-4、そしてトヨタが5-6位という結果になっている。

前日に続いてのドライコンディションながら、この日は曇天で、風は弱まったものの日差しが少ないぶん、やや肌寒くなった印象の富士。午前中の1時間のフリー走行を経て、参戦31台が午後の公式予選に臨んだ。予選は13時40分からLMGTEのProクラスとAmクラス、そして14時10分からLMP1とLMP2クラスという2部構成(各20分間)での実施。各マシン、2名のドライバーのベストラップ平均で順位を競う形式だ(3人組の場合も2名の平均)。

LMP1クラスでは、技術規定の大幅改訂から2シーズン目となった今季、3大メーカーのワークスチームが誇るハイブリッドレーサーが大幅なスピード向上を見せているが、そのなかでも躍進顕著なポルシェ勢が本領を発揮した。午前のフリー走行で17号車、18号車ともに1分23秒台へ突入すると、予選では17号車がいきなり1分22秒台へ。

17号車の最終的な予選パーソナルベストはM.ウェーバーの記録した1分22秒639だったが、このタイムがどれほどのレベルかというと、昨今、速い速いと言われているスーパーフォーミュラのレコードタイムが14年に記録された1分22秒572だと言えば分かりやすいだろう。#17 ポルシェのタイムは、いくらプロトタイプとはいえ、タイヤが剥き出しではない“クルマ”の出すタイムとしては異常領域ともいえる。

#17 ポルシェは2名のベストタイム平均1分22秒763でポールを獲得。そして僚機#18 ポルシェもアウディ勢との接戦を制して平均1分23秒071で2位を占めた。ポルシェは今季開幕から全戦でポールを獲得し続けており、予選では常に1-2もしくは1-2-3(3台参戦時)でここまで来ている。その流れを富士でも維持し、明日の決勝では最前列独占の形勢から4連勝を目指す。

17号車のウェーバーは元F1レッドブル所属で、日本でのファンも多いドライバー。パドックでも彼が動くと一斉にサインを求めるファンが集中するくらいだが、見事な快走でその期待に応えた。愛機のスピードの向上ぶりに関してウェーバーは、「我々ポルシェは昨年からWECのLMP1に参戦を始めたわけだが、レギュレーション的な正解を突き詰める作業が進んできたことで、大きな飛躍を遂げられたと考えている」との旨を語り、「(タイトルを争う)アウディにもプレッシャーをかけることができていると思う」と、今回の決勝にも手応えを感じている様子だった。

ポルシェのマニュファクチャラーポイントランキング首位キープはもちろん、ドライバーズポイントでもアウディ7号車トリオからトップの座を奪うことをウェーバーは照準に据えているだろう。今回のポール獲得で#7 アウディとは9点差。明日の決勝を17、18号車の順で1-2フィニッシュすれば、#7 アウディが3位でも1点逆転してウェーバーら17号車トリオがポイント首位に立つ。

LMP1のハイブリッドレーサー(LMP1-H)6台の予選順位は以下の通り。

1位:#17 ポルシェ(919 Hybrid/T.ベルンハルト&M.ウェーバー&B.ハートレー)
2位:#18 ポルシェ(919 Hybrid/R.デュマ&N.ジャニ&M.リーブ)
3位:#7 アウディ(R18 e-tron quattro/M.ファスラー&A.ロッテラー&B.トレルイエ)
4位:#8 アウディ(R18 e-tron quattro/L.ディ・グラッシ&L.デュバル&O.ジャービス)
5位:#1 トヨタ(TS040 HYBRID/A.デビッドソン&S.ブエミ&中嶋一貴)
6位:#2 トヨタ(TS040 HYBRID/A.ブルツ&S.サラザン&M.コンウェイ)

アウディの2台も健闘、予選を大いに沸かせてくれた。一時は2-3位を占めてポルシェ勢の間に割って入るシーンもあったほど。最終的には3-4位に甘んじているが、タイム差は僅差といえよう。ロッテラーやデュバル、トレルイエ、ジャービスら日本馴染みのドライバーも多いアウディだけに、決勝での反撃、4戦ぶりの勝利なるかが注目される。

トヨタは今季の戦況のなかでは定位置の5-6位。1、2号車ともにベストタイム平均は1分25秒台前半だった。決勝でも自力での順位アップは厳しい状況だが、雨の予報もあるなか、その影響が大きくなれば富士戦4年連続優勝に希望が出てくる可能性もあるだろうか。難しいところではあるものの、今回全クラスを通じて唯一の日本人参戦選手でもある中嶋一貴の力走に期待したいところだ。

なお、3台が出走しているノンハイブリッドのLMP1マシンのなかでは#13 REBELLION RACING(レベリオンR-One-AER/A.インペラトーリ&D.クライハマー&D.アプト)が最上位(7位)だった。

LMP1以外のクラスのポール獲得車は以下の通り。

LMP2:#26 G-DRIVE RACING(リジェJS P2・ニッサン/R.ルシノフ&J.キャナル&S.バード)
LMGTE-Pro:#71 AF CORSE(フェラーリF458イタリア/D.リゴン&J.カラド)
LMGTE-Am:#72 SMP RACING(フェラーリF458イタリア/V.シェイタル&A.ベルトリーニ&A.バソフ)

注目の決勝レースは明日(11日)の11時スタート予定、6時間という長丁場の戦いとなる。今夜から明日午前にかけて雨という予報もあり、天候推移がレース展開に有形無形の影響を及ぼすかもしれない。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集