5件ハシゴし飲酒運転…事故の元教師に、執行猶予付き有罪判決

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7月に福岡県北九州市小倉北区内の国道199号で乗用車を飲酒運転し、追突事故で1人を負傷させたとして、危険運転致傷の罪に問われた50歳の男に対する判決公判が24日、福岡地裁小倉支部で開かれた。裁判所は執行猶予付きの有罪を命じている。

問題の事故は2015年7月18日の午前0時5分ごろ発生している。北九州市小倉北区米町1丁目付近の国道199号(片側2車線の直線区間)で停車していたタクシーに対し、駐車場から進出してきた乗用車が追突。双方の車両が中破し、タクシーの運転者が頚部打撲などの軽傷を負った。

乗用車を運転していた門司区内に在住する50歳の元高校教諭の男は酒気帯び状態だったことから、警察は道路交通法違反(酒気帯び運転)の現行犯で逮捕したが、男は足元がふらつく状態で、事故の直前にはクルマに乗り込む様子を目撃した市民から110番通報を受けていたことが後に発覚した。検察は「飲食店を5軒ハシゴし、酒に酔った状態で運転を強行。事故を起こした」として、男を自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致傷)の罪で起訴していた。

24日に開かれた判決公判で、福岡地裁小倉支部の中牟田博章裁判官は被告が事故直前まで5軒の飲食店をハシゴ状態で渡り歩いていたことを認定した。その上で裁判官は「酒に酔い、駐車場の精算機に自分で料金を入れることができないほどの状態だった」と指摘。その状態でクルマを運転したことについては「情状を酌量する余地はない」とした。

しかし、事故後に退職するなどして社会的制裁を受けたことや、被害者のケガの程度が軽く、示談が成立していることは認め、被告に対して懲役1年(執行猶予3年)の有罪判決を言い渡している。

《石田真一》

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