ルノー・ジャポンは10月30日より『メガーヌ ルノースポール(以下メガーヌRS)CUP S』を60台限定で発売する。価格は456万円。
メガーヌ ルノースポール CUP-S は、ニュルブルクリンクサーキットでFF 市販車最速タイムを更新したメガーヌ ルノースポールのトップモデル『メガーヌ ルノー・スポール トロフィーR』と同じパワートレーンを搭載。これに、オーリンズ製ダンパー、アクラポヴィッチ製チタンマフラーなどを装備し、本格的な走りを追求した。
同社は昨年末、メガーヌRSトロフィーシリーズを限定車として発売、大変好評だったという。その中でもニュルブルクリンクでFF市販車最速レコードを出したモデルと同スペックのトロフィーRは、「発表当日に限定台数(60台)をオーバーし、抽選になった。まさに瞬殺で完売だった」とは、同社代表取締役社長の大極司氏の弁。
「その後もこのトロフィーシリーズの購入希望の声が多くあることから、ルノースポール社と相談し、もう一度限定車を投入しようと、トロフィーシリーズの流れを汲んだCUP Sを日本専用の限定車として導入する」と話す。
同社マーケティング部の近棟伸邦さんは、CUP Sのコンセプトを、「ニュルブルクリンク最速の血統を持つ究極の5シーターモデルだ」と述べる。
これまでメガーヌRSは3回最速ラップを記録している。最初は2008年の『メガーヌR26R』だ。これは2シーター化、カーボンボンネット、アクリルウインドウの装着などにより徹底した軽量化を施したモデルで、当時FF市販車最速の8分17秒を記録。次にエンジン出力を250馬力から265馬力へアップしたスペシャルモデル『メガーヌRSトロフィー』で、2011年に8分7秒97を記録した。3回目は、2014年に『メガーヌRSトロフィーR』を駆り、FF初の8分の壁を破る7分54秒36を記録した。これも2シーターモデルで、軽量化を施し、エンジンの出力を265馬力から273馬力にアップ。更にアクラボヴォビッチ製マフラーやオーリンズ性の調整式ダンパーを奢ったスペシャルモデルで、これこそが昨年末60台を“瞬殺”で売り切ったモデルなのだ。
そして、CUP Sは、「これらニュルブルクリンク最速の歴史、血統に相応しい専用の仕様、装備を持っている」と近棟さん。
エンジンは、トロフィーRと同じ273馬力(標準車は265馬力)。しかし、「馬力よりも高速域でのトルクの増強が肝だ」と話す。実際に5500回転で10Nmのトルクアップを実現した。
「トロフィーRで最速ラップを記録したルノーのテストドライバー、ロラン・ウルゴン氏の、5000から5500回転付近でのトルクアップがタイムアップには重要だとのアドバイスをもとに開発したエンジン。これは、タイムアップに関わる重要なファクターだ」と語った。