現地24日、インディカー・シリーズはジャスティン・ウィルソン選手の死亡を発表した。ウィルソン選手は23日の第15戦ポコノ決勝において、レース終盤、クラッシュした他車の破片が頭部を直撃したと思われる事故に遭遇し、ヘリで緊急搬送されるなど、容態が心配されていた。
米ペンシルベニア州ポコノのオーバルコースで開催された今季第15戦はアクシデントの多い展開となり、残念なことに選手死亡という最悪の事態へとつながってしまった。優勝したチームメイトのライアン・ハンターレイをはじめとするドライバー仲間やレース関係者、そして多くのファンがウィルソン選手の快復を祈ったが、翌日、訃報が届くことに。
インディカー・シリーズはワンメイクシャシーでの戦いだが、今季からエンジン供給メーカー(ホンダ、シボレー)による空力パーツパッケージの開発・装着が許されることとなり、これが焦点のひとつともなっていた。しかし、一概には言えないながらも空力開発競争激化が一因と思われるようなアクシデントが、特にハイスピードで周回し続けるオーバルコースで頻発化傾向にあったのも事実。シリーズ運営側は来季に向けての対応を迫られることにもなるだろう(今季は30日決勝の第16戦=ロードコースのソノマ戦で終了)。
英国出身のウィルソン選手は1978年7月31日生まれの37歳だった。2003年にはF1にも当時のミナルディ(現トロロッソの前身)やジャガー(現レッドブルの前身)から参戦した経験をもち、その後はアメリカのトップオープンホイールを主戦場にして、インディカーで通算7勝を挙げる活躍(シリーズ分裂期だった時期のチャンプカーでの勝利も含む)。特に市街地やロードコースで卓越したドライビングを披露する強豪選手として知られ、今季はシーズン途中からアンドレッティ・ホンダに加入して戦っていた。