金曜日の昼夜に30本(15往復)増便を決めた沖縄都市モノレール「ゆいレール」。なぜ金曜午後だけ増発するのか。同社関係者は、「沖縄に訪れる観光客や、地元の人たちの最近の動向にあわせた試験的な取り組み」と話す。
「週末を沖縄で過ごす観光客が増えている。韓国や台湾といった外国人観光客も週末に多く見かける。さらに、マイカーで通勤する地元の人が、金曜だけ公共交通を利用するという傾向がある」(同)
また、「各地と那覇を結ぶLCCの就航で、“週末沖縄旅”の需要が増えた」という沖縄観光コンベンションビューローの担当者は、地元のマイカー通勤事情についてこう教えてくれた。
「沖縄の人たちは、運転代行を利用する機会が多い。マイカー通勤が多いから、仕事の付き合いなどで飲み会に誘われたりすると、代行を使って帰ることになる。金曜の夜は代行が足らなくなり、『つかまらない』と嘆く声も聞く。そうしたなか、飲み会や宴会が入る確立が高い金曜は、公共交通を使って通勤する人たちが増えてきた。そんな流れと、週末の観光客の増加が重なり『ゆいレール』も金曜に混雑するようだ」
県交通安全協会などは、「飲酒絡みの人身事故は、依然として高い水準で推移。飲酒運転の検挙実態は、全国の約4.3倍と依然として高く、『沖縄県飲酒運転根絶条例』の趣旨がいまだ県民に浸透していない状況」とし、ハンドルキーパー運動をさらに推進する。
週末を沖縄で過ごす人たちでにぎわう那覇市内。地元の人たちの“移動意識”も変わり、モノレールやバスがさらににぎやかになりそうな気配。