東武が8月10日に発表した“SL復活宣言”で、にわかに注目を集める東武鬼怒川線。その下今市駅では「べんとーいかがすかーっ」という懐かしい売り声が響く。名物駅弁で知られるこの駅に今夏、新たな駅弁が乗り込み、“新旧駅弁食べ比べの旅”が楽しめるようになった。
日光線と鬼怒川線が接続する下今市駅は、快速や区間快速のほか、日光方面の「けごん」「日光」、鬼怒川温泉方面の「きぬ」「きぬがわ」といった特急列車のほぼすべてが停車。この駅で古くから駅弁販売を営むアザレア弁当は、電車の到着にあわせて「べんとーいかがすかーっ」という売り声をホームに響かせながら、「日光まるごと味の弁当」(1000円)などを売っていく。
この下今市駅に今夏、東武商事がプロデュースする新たな駅弁が乗り込んできた。“徳川家康の好物”といわれる食材や、ゆかりの品を使った「日光東照宮400年式年大祭記念弁当」(1300円)だ。
製造は日光の駅弁「ゆばちらし寿司」などをつくる「油源」(あぶらげん、栃木県日光市上鉢石町)で、甘鯛の西京焼、日光揚巻湯波煮、茄子の地野菜甘味噌添え、酒蒸海老、紫蘇巻唐辛子などが盛り込まれている。
この“400年記念弁当”は、下今市駅のほか、東武日光駅、鬼怒川温泉駅、浅草駅発着の特急スペーシア車内で販売されるが、東武商事は「下今市でいっしょに買うか、行きと帰りで買い分けて、ぜひ食べ比べを楽しんで」と話していた。
2年後は、鬼怒川線を駆けるC11形蒸気機関車の息吹きと煙を感じながら「新旧駅弁、実食!」が試せるはずだ。