ランクセス「EPDMで唯一のグローバルサプライヤーに」…中国工場稼働で

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ランクセス EPDM事業統括 クリスティアン・ヴィダースホーフェン 氏
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  • ランクセス EPDM事業 説明会
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ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセスでエチレン・プロピレンゴム(EPDM)事業を統括するクリスティアン・ヴィダースホーフェン氏は7月14日、都内で会見し、「中国の工場稼働によりグローバルな生産基盤が整い、EPDMで唯一のグローバルサプライヤーになった」と強調した。

EPDMは耐熱性や耐候性に優れ、自動車や建設向けを中心に世界的に需要が伸びている。ヴィダースホーフェン氏は「EPDMは全世界で年率3~4%の市場成長が見込まれ、なかでも中国では7%の高い伸びが期待されている」とした上で、「ランクセスにとって特に成長している分野がTPV(熱可塑性加硫エラストマー)用途。また今後は他のポリマーの代替にもなっていく」と述べた。

また「中国国内で使われているEPDMのほとんどが中国以外で製造されたものを輸入しているが、ランクセスは現地生産化で地産地消がかなうようになる。さらに世界のEPDMの供給体制も変わってくると考えている。現地生産化で中国の需要にきめ細かく対応するだけでなく、アジアの主要マーケットである日本、韓国、インドへの供給体制をより強化することにもなるからだ」と語った。

中国のEPDM生産拠点は江蘇省常州市にあり、生産能力は年間16万t。中国での稼働で、ランクセスのEPDM生産拠点はオランダ、ドイツ、米テキサス州、ブラジルの5か所となる。ただ「EPDMは競合他社も能力増強を進めており、世界的に見て供給過剰な状態にある」という。

このためランクセスではドイツで生産しているEPDMの中国へのシフトを進め、15年末までにドイツでのEPDMの生産を終了する計画。その一方で、米テキサスおよびブラジルの工場の製造品質向上のための設備改修を進めることで競争力強化を図るとしている。

《小松哲也》

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