【新聞ウォッチ】スズキとホンダの新社長、偶然の一致? キーワードは「チーム力」

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スズキ鈴木俊宏社長(左)とホンダ八郷隆弘社長(右)
  • スズキ鈴木俊宏社長(左)とホンダ八郷隆弘社長(右)
  • ホンダ 八郷隆弘社長就任会見
  • 鈴木俊宏社長(左)と鈴木修会長(右)

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2015年7月7日付

●ギリシャ債務減免要求へ、首相、EUに新提案、国民投票緊縮反対(読売・1面)

●なでし健闘準優勝(読売・1面)

●「ホンダらしさ」追求へ、八郷新社長規模より商品力(読売・11面)

●アクア上半期首位(読売・11面)

●トヨタ配偶者手当廃止へ、労使合意子の分4倍に増額(朝日・6面)

●新幹線客室を常時撮影、放火事件受け、JR東海と西(産経・26面)

●メルセデスが16年ぶり首位、上期輸入販売、VW抜く(東京・7面)

●インドにレクサス、トヨタ、17年にも販売店、富裕層開拓(日経・1面)

ひとくちコメント

ホンダの八郷隆弘新社長が就任後初めて記者会見を行った。度重なるリコール問題で傷ついたブランド力をどのように回復させるのかなど、難題が山積するなかでのスタートだけに、その一挙手一投足に注目が集まる。

会見では、伊東孝紳前社長が掲げていた2016年度の販売台数目標の600万台について「達成するのは難しい」と述べ、「顧客視点を第一に、数よりも今までにない革新的な技術でホンダらしい商品を提供したい」などと、商品力の強化に重点を置く方針を示した。

このため、きょうの各紙の見出しも読売が「規模より商品力」としたほか、「拡大路線転換、販売目標より特色」(朝日)、「数よりも商品力優先」(毎日)、「販売増より商品力強化」(東京)と、ほぼ同じ内容のタイトル。さらに日経は「ホンダ、600万台計画白紙、質重視で規模追わず」とより具体的に取り上げた。

もっとも、6月の新車販売台数ランキングではホンダの『N-BOX』が前年同期比20.3%も増加して軽自動車トップ、総合でも1位のトヨタ自動車の『アクア』に次ぐ2位。新車販売の台数に限ってみれば、八郷体制発足に花を添えたことにもなるが、7月以降の販売台数にも注目したいところだ。

八郷新社長の会見では質疑応答も含めた約1時間のなかで「チームホンダ」という言葉を幾度も幾度も繰り返していたことが強く印象に残った。だが、きょうの各紙をみると、毎日、東京などが「現場とのコミュニケーションを大切にしながら、現場が主体的に動ける環境をつくりたい」と強調したことは報じられたが、ずばり「チームホンダ」というキーワードを使った紙面は見当たらない。

これまでも新社長が抱負を述べる際に「チーム力」とか「全員野球」といった表現をする経営者も少なくない。その場合、前任者が強力なリーダーシップをもつ独裁的な人物が多く、先日のスズキの社長交代でも、鈴木修会長の長男の鈴木俊宏社長が「チームスズキ」で取り組む姿勢を強調していたばかりだった。

「チームスズキ」と「チームホンダ」、お互いの新社長の生い立ち、キャリアは異なるが、「個性」より「安全運転」で周囲への気配りを重視する「チーム力」をキーワードにアピールしているのも面白い。

《福田俊之》

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