米紙が「ナジブ・ラザク首相の個人口座に1MDBの資金約7億米ドル(26億リンギ)が流れた」と報じたことを受け、ナジブ氏への1MDBに関する疑惑がピークに達している。
与党第一党・統一マレー国民組織(UMNO)内の反ナジブ派や野党はナジブ氏への攻撃を強める構えをみせており、ナジブ首相の「休養」を求める声も上がっている。対応を誤れば政権崩壊につながる可能性もある。
ナジブ首相は「私は泥棒ではない」、「国民を裏切ってはいない」と全面否定。報道を行なった米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)に対する法的措置を含めて対応を検討していることを明らかにした。アハマド・ザヒド内務相やヒシャムディン・フセイン国防相らは、WSJが政権を誹謗していると批判し、ナジブ氏を擁護する発言を行なっている。
一方、ナジブ氏と距離を置くムヒディン・ヤシン副首相は「深刻な事態であり、汚職摘発委員会(MACC)や中央銀行バンク・ネガラ、警察などあらゆる関係機関によって厳格な調査が行なわれることを求める」とした上で、「私は真実が知りたい」とだけ述べ、ナジブ氏を積極的に擁護する他の側近とは一線を画している。