車線を半分にして歩道を拡幅する四条通整備事業(京都市)の現場に立つと、四条烏丸交差点と河原町交差点の間(900m)を走らざるを得ないドライバーたちのボヤキが聞こえてくる。「人と公共交通を優先する道」を行くドライバーたちに聞いた。
「信号を見てよ。この区間はさ、一斉に赤になるんだよ。そのときクルマの流れがピタッと止まっちゃうわけ」(タクシー運転手)。
四条烏丸交差点と河原町交差点の間の四条通は、東洞院通、高倉通、堺町通、柳馬場通、富小路通、麸屋町通、御幸町通、寺町通と直交し、わずか1kmのなかで8つの信号機がある。たしかに見ていると、これら信号機が同時に赤になる。
さらに直交する小道を行くクルマも“フリーズ”する。その仕組みはこの区間の「歩車分離信号」にある。その名のとおり、交差点で歩行者と車両が混在しないよう別々に制御される信号で、歩行者・四条通方向・直交する小道方向と信号が変わる。「この区間は歩行者が青のときは、クルマはすべて止まる」(前出の運転手)という。
また、京都市は「四条通に用事がある人のために、クルマを一時的に停車できるスペースを15か所(32台ぶん)設置。16か所に分散しているバス停を東行き西行き合わせて4か所(「四条高倉」「四条河原町」)に集約する」という。
「これからアルバイト先へ向かう」というスクーターの男性は、「路線バスが3台、4台とよく連続する。そのバスの後ろにつくと、バス停に止まったときに動けなくなる。中央(のゼブラ帯)から停車中のバスを追い越そうとすると、対向車線のクルマとはちあわせしてしまうときもよくある」とも話していた。