マレーシアの小型車スタンダードとなるか、プロドゥア アジア を見た

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プロドゥア アジア
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ダイハツとマレーシア資本との合弁会社であるプロドゥアが2014年9月から、マレーシアで発売している小型車『アジア』を見取りする機会に恵まれた。

アジアは、インドネシアで製造されている『アイラ』のマレーシア版とも言えるモデル。基本的なプラットフォームはダイハツ『ミライース』と共用している。全長×全幅×全高は3640×1620×1510mmで、日本で言うなら5ナンバーサイズに収まる5ドアハッチバックだ。

フロントシートはセパレートタイプ、リヤはベンチタイプの3名掛け。リヤシートバックは一体可倒式でラゲッジルームのスペースアップできる。搭載されるエンジンは1リットルの3気筒で、最高出力は49kW、最大トルクは90Nm。ミッションは4速のATが組み合わされている。

エクステリアで目を引くのが大型のグリル。アジアはマレーシアのプロドゥア主導で開発されたクルマで、デザインについてもプロドゥアが担当している。彼の地を訪れるとわかるが、クルマに関してはスポーツ指向が強い。デザインなども力強いものが好まれる傾向にある。また、マレーシアでは車検がないため、チューンアップやドレスアップについても積極的。スポーツ系のパーツの人気が高いということで、こうしたデザインのウケがいいのだろう。

おもしろいと感じさせてくれたのが、助手席シートバックにつけられたロック装置。車両盗難を防ぐためのロック装置ではなく、車内に置いたバッグなどを盗まれないようにするためのもの。マレーシアでは、車両盗難を防止するためにウインドウに自車のナンバーをサンドブラストで刻むなどしている。治安はいい国だが、やはり盗難ということについてはそれなりの自衛策が必要なのだろう。

このアジアは部品調達についても現地化が進められていて、約95%の部品は現地調達されているという。日本から送られているのは、ABSなどの精密な一部の部品に限られているとのことだ。

アジアの販売台数は1月あたり8000台。マレーシア国内の登録台数は2015年1月~3月の3か月間で約16万台。1月あたりは約5万3000台となるので、8000台はかなり大きなボリューム。写真の仕様はもっとも上級のSEアドバンスというグレードで、価格は日本円で約140万円。マレーシア国民の月収が約15万円と言われているので、月収10カ月弱ののクルマということになる。

シンプルでリーズナブルなクルマは、モータリゼーション発達時には不可欠なもの。しかし、今の日本にはもしかしたら、こんなシンプルで、スポーティな雰囲気を持つクルマが必要なのかもしれない。リーズナブル・イコール・ファミリーだけでは、クルマ好きを増やしていくことはできないだろう。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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