【スズキ アルトラパン 新型発表】女性のニーズ取り入れ「可愛いけれど、子供っぽくない」めざした

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【スズキ アルトラパン 新型発表】女性のニーズ取り入れ「可愛いけれど、子供っぽくない」めざした
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  • 右から、アシスタントチーフエンジニア・藤田拓史氏、チーフデザイナー・松島久記氏、製品企画・高橋修司氏

6月3日よりスズキの『アルトラパン』3代目モデルが発売された。アルトラパンはユーザーの約9割が女性。しかもそのうちの約6割が20~30代という若い層であるという。そのため、開発には女性のニーズを把握することが重要だ。

スズキでは、アルトラパンの開発に先立つ1年前から「女性ワーキンググループ」を立ち上げて調査を開始した。もちろん女性ワーキンググループのメンバーは女性。社内の商品企画&技術企画のスタッフなどで構成される。

とはいえ、女性向けのクルマを女性チームがリサーチするというのは他でもよく聞く話。今回の取り組みの特徴とは。

「これまでと、どう違うかというと、今までは調査した内容を渡して終わり。その後は、ほぼ男性陣ですよね。男性が想像する女性像で開発していました。それが受け入れられた部分もあるし、“これはちょっと女性と言っているけれど男性っぽいんじゃないの?”という部分もありました。今回は、一貫して女性が自分たちの思い描いているものになっているのかを、逐一、ステージごとにチェックしていきました」と、アルトラパンの開発チーフエンジニアのアシスタントを務めた藤田拓史氏は説明する。

こうした取り組みで意外に成功例は少ないのも事実。それは、どこかで“道”がそれてしまったからだとスズキは考える。だから、調査だけでなく、開発の途中でのチェックに力を入れたというのだ。しかも、チェックは女性ワーキンググループのメンバーだけではなく、実際のユーザーまで落として確認していった。

そうした念入りな調査・検証で分かったのは、「女性は可愛いものは好きだけど、子供っぽいのは好きじゃない」ということであったという。

「可愛くて子供っぽくないデザイン。どの辺りを狙うのかが非常に苦労したところです。どうしたらそのようなデザインができるかな? と考えて、クルマとしての完成度に徹底的にこだわろうと。ピラーと4輪のタイヤの関係とか、ボディのプロポーションなどは、ヨーロッパのコンパクトカーにひけをとらない完成度に高めるというのを目標としました」とはチーフデザイナーの松島久記氏。

また、「ナチュラルである。シンプルである。というのもキーワードにしました」と藤田拓史氏も続ける。これも子供っぽくしないための工夫だ。さらに外装色のピンクやミントも、なるべくシックな色合いとした。タイヤをかこむモールも、ただの黒ではなく、ブラウンとネイビーにほんの少し色づけられている。

箱形シルエットがアルトラパンの特徴だが、新型では丸目のヘッドライトとテールランプ、角を丸めたデザインが採用されている。スズキの開発陣は、これを「まる しかくい」プロポーションと呼ぶ。そして、この採用も、調査によって分かった現在の若い世代の女性の「丸みテイストを好む」という嗜好からの決断であったという。

さらに新型で特徴的なのが、クルマのあちらこちらに隠されたラパンのロゴだ。先代モデルでは、ハッキリと目立つようにあったものが、新型では、サンバイザーの裏やドアの裏側など、見つけにくいところにある。これも、「子供っぽいのはNG」&「シンプルなものを目指す」という考えからだという。「私達は“かくれラパン”と呼んでいます。いくつあるのかは秘密です。お客様が、普段使っている中で、“あっ、こんなところにもある!”と見つけてほしいんですね。乗れば乗るほど愛着がわいてくるようにというのが狙いです」と製品企画を担当した高橋修司氏は説明する。

「可愛いけれど、子供っぽくない」という狙い。これが新型アルトラパンの最大の特徴と言っていいだろう。

《鈴木ケンイチ》

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