【マツダ CX-3 試乗】ディーゼル×MTの包容力を知らずに人生終われない…岩貞るみこ

試乗記 国産車
マツダ CX-3マツダ CX-3 XD Touring L Package
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AT大国であり、草食男子のクルマ離れが著しい日本に於いてキワモノ扱いされかねないMTである。だけど、MT苦手の理由が坂道発進と速度に対してギアを的確に選ばなければいけないことだとしたら、ディーゼル・エンジン搭載の『CX-3』は抜け出すことができる。

坂道発進はブレーキを離しても後退しない制御が入っているし(ヒル・ローンチ・アシスト)、ディーゼルのトルクの太さは、ずぼらなギア選びでも楽々カバーしてくれるからだ。

いや、ほんとに。トルク、めっちゃ太い。市街地からちょっとした郊外を走る速度変化くらいなら、3速に放り込んでおけばシフトレバーにさわる必要がないくらい。ディーゼル未体験の人がいるならば、ぜひこの包容力を知らないまま人生を終えることのないよう願うばかりだ。

18インチタイヤを装着しているとはいえ、4WDは、サスペンションをやわらかめに設定。ゆえに硬さは感じられずほどよい乗り心地。MTゆえにクラッチ操作、シフトチェンジチェンジというAT慣れしたドライバーにはプラスαで生じる作業も、マツダが取り組んでいるドラポジ改善が効いている。

このおかげで不必要に上体がぶれることなく操作が行えるのである。ドラポジを適切に保つことの利点が、ここへ来てあらためて実感できる。『デミオ』のときにも書いたけれど、ドラポジをないがしろにしたり、自分のまわりにいる人のつたない感想だけで作っている他メーカーには、ツメの垢を煎じてお出ししたい。4WD、FFともに最低地上高が160mmゆえに、ラフラフなオフロード向きとは言いがたい。それでも、このサイズにこめられたディーゼル4WDは、いろんな可能性と夢を見させてくれる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材中するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「ハチ公物語」「しっぽをなくしたイルカ」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。最新刊は「法律がわかる!桃太郎こども裁判」(すべて講談社)。

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