普通トラック市場、荷主企業の経営状況「好転」で新車販売も増加へ

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日野 プロフィア(参考画像)
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日本自動車工業会は、2014年度に実施した「普通トラック市場動向調査」結果をまとめた。

調査は、普通トラックの保有・購入・使用実態、輸送ニーズの変化と対応や、物流を取巻く市場環境変化を時系列的に捉え、隔年でアンケートを実施しているもの。今回はユーザー・荷主双方の視点から実施した。

調査結果から経営状況の改善が見られた。荷主企業は、建設業、製造業の順に好転し、最近の経営状況は「好転」が47%と「悪化」の24%を上回り、リーマンショック前の水準に戻った。荷主企業の経営状況改善の要因は「景気の好転」が1位。今後も、東京オリンピック開催による需要増が見込まれ、荷主企業は2018~2020年をピークに経営が上向く見通し。

運輸業も、2008年から2012年にかけ「悪化」の割合が減り続け徐々に好転の兆しが見られていたが、荷主企業の好調を受け、2014年は2012年の前回調査時に比べ「好転」が30%とが12ポイント増、「悪化」が41%と10ポイント減と大きく改善した。2013年頃からの景気回復を背景に、荷主側の経営状況が改善していることが運輸業に波及している。

需要動向は、2009年を底に新車需要が増加している。2014年は消費税率引き上げによる駆け込みと反落があった。普通トラック保有台数も2012年を底に回復基調にある。

普通トラックの新車登録台数は、2009年を底に毎年増加している。景気回復や旺盛な建設需要を受けて、過去の経済停滞で減少し続けたトラック保有を回復しようとする動きによるものと見られる。

調査結果から、運輸業の約2割、自家用の約1割が、消費税率引き上げ前にトラックを前倒し購入した。運輸業、自家用ともに保有台数の多い事業所ほど、前倒し購入の実施率が高い。

稼働状況では、実車率は前回並みだが、稼働時間や稼働日数は上昇しており、使用年数の長期化が続いている。

トラック輸送上の問題点の第1位は、燃料価格高騰を背景に「燃料費の値上がり」。トラック購入時に重視する点では、依然として「燃費のよさ」が1位となり重要性が高い。運輸業者は、デジタルタコグラフの活用やドライバー教育、燃料の共同購入などで燃料コストの低減に対応している。

構造的な労働力不足に加えて、2007年の免許制度改正の影響もあり、運輸業の「ドライバーの不足」と「ドライバーの高齢化」が急激に進行している。5年後には人手不足がさらに深刻化する見通しの中、運輸事業者は効果的な解決策を模索している実態も明らかになった。

安全対策の取り組みでは、運輸業は、テレマティクスやドライブレコーダーをはじめとする安全サポート機器の設置が進む。荷主企業も、安全サポート機器の認知率や委託先へ安全サポート機器設置の要望が上昇し、安全対策についての意識が高まっている。

《レスポンス編集部》

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