【ブリヂストン レグノ】「素直です、と言いたい」官能評価トップ小澤氏

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  • 実車試験部実車試験第3ユニット課長の小澤通夫氏
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ブリヂストンが開催した「タイヤが変わればクルマも変わる」体験会。1月に発表したプレミアムタイヤ「レグノ GR-XI(ジー・アール・クロス・アイ)」(セダン用・2月20日発売)と「レグノ GRV II(ジー・アール・ブイ・ツー)」の乗り味を担当した人物に話を聞いた。

「私の中でレグノは、入社のときくらいにできあがったブランドで、初期のころから関わっていましたし、今回は責任者的な役割で担当させていただきました。まさに一緒に歩んできたようなタイヤなので、レグノに対する思い入れは、非常に大きかったですね」と実車試験部実車試験第3ユニット課長の小澤通夫氏。

レグノが誕生したのは1981年で、小澤氏の入社は1985年だ。小澤氏は、実際の車両にタイヤを装着したときの官能評価を長年行ってきており、現在は、国内向けのリプレイス(市販)タイヤの乗り味を決めるトップという役割。その小澤氏もレグノは特別な存在だという。

「開発でやること自体は他と同じですが、どういう商品を作り上げていこうか? という部分については、非常にノリノリでやらせていただきました。やっていて楽しかったですね。一方で辛かった部分もあります。思い入れが強いこともあって、ブランドのプレッシャーは感じていました」と小澤氏。

新型レグノの開発は先代モデルを振り返るところからスタートした。先代は音振動の性能は優れていたが、走りに対してユーザーからの不満もあったという。静粛性を優先させたため、トレッド面の剛性が不足していたのだ。そのため、限界走行時だけでなく、高速のレーンチェンジでのふらつきを不安視する声もちらほら。それをクリアした上での高いトータルバランスを求めたという。

「トータルバランスが大変でしたね。音は絶対に良くなければいけない。乗り心地も良くなければいけない。でも、操縦性をないがしろにしてもいいのか? というのが、僕の中では大きくて。そこがどれだけ、バランスよく上げられるか? それにつきました」

しかし、ただ数値だけを高めれば良いタイヤになるわけではない。あくまでも重要なのはフィーリング、乗り味だ。そこで気になるのは小澤氏の走りに対する考えである。乗り味は、当然、それを決める人の考えが強く表れるからだ。

「タイヤを自然にたわませて、自然な走りを心がけています。それはポテンザRE-71Rもレグノも同じです」と小澤氏。ポテンザRE-71Rは、昨年12月にブリヂストンが発表したスポーツタイヤの新型モデル。これも小澤氏が手がけたタイヤだ。1980年代の名作と呼ばれるポテンザRE71の名前を復活させたことでも注目される。

「うちはコンパウンドの実力が高いので、そこに頼っているところがあったかもしれませんね。そこで、71Rの開発のときも、コンパウンドだけじゃなくて、タイヤをきれいにたわませて、前後の荷重変動をドライバーがやると、その通りに動いてくれるタイヤにしようと。自然に動いてくれるタイヤを作れば、71という名前をつけられるし、サーキットも速くなると開発しました」と小澤氏。

レグノに関しては、「“素直です”という言い方をしたい。ポテンザではないので、“ガンガン走れます!”ではなく、“思ったとおりに動いてくれます。それで、音は静かです。乗り心地は良いです”と」(小澤氏)。

自然なフィーリングを大切に、素直な動きを好むのが小澤氏の理想であり、ポテンザやレグノは、その方針の元に開発が進んだようである。今後のブリヂストンのリプレイス(市販)タイヤも、その延長線上になるであろう。

《鈴木ケンイチ》

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