チュア・ティーヨン副財務相は、通貨リンギを米ドルに連動させるペッグ制を再導入する考えはないと言明した。ザ・スターが報じた。
3月30日の下院議会審議で、リンギ安に対処するためにペッグ制などの資本規制導入する意向を問われたのに対して答えたもの。タイ通貨の急落に端を発した1997-98年のアジア通貨危機に際し、マハティール政権下のマレーシアは為替相場を固定し、短期資本の流入を禁じた。
チュア氏は「石油収入の減少、対米ドル相場でのリンギ安を根拠に、ドルペッグ制導入の可能性が取りざたされているのは認識している」とした上で、「ペッグ制は極端な状況のための措置。現在は97-98年当時とは異なり、国内経済は堅固だ」と説明した。
外貨準備高は97年の600億リンギに対し、現在は3860億リンギで、中央銀行バンク・ネガラはリンギに対する投機を予防できるという。