いまや主流の“ゼロ・ゼロ発泡酒”…4銘柄を徹底試飲&比較

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 “ゼロ・ゼロ発泡酒”と呼ばれる、「プリン体0」と「糖質0」という機能性ビール類が市場で好調を示している。“健康”と“美味しさ”との両立を求める消費者の需要に応えているようだ。

 このタイプの商品で最初に発売されたのが、2014年7月発売のサッポロビール「極ZERO」だ。続いて9月にキリンビール「淡麗プラチナダブル」、アサヒビール「スーパーゼロ」、サントリー「おいしいZERO」の3商品が発売され、カテゴリーを生成した。

 生活者の意識・実態に関する調査を行なうトレンド総研では、この“ゼロ・ゼロ発泡酒”に関する調査を行なった。

 売上シェアの1位はキリンビール「淡麗プラチナダブル」で、“ゼロ・ゼロ発泡酒”カテゴリーに対するシェアは40.6%。ビール大手4社の商品が揃った2014年9月から2015年2月までの6ヵ月間における、全国904店舗の食品スーパーマーケットの購入データに基づくシェアだ。2位はサッポロビール「極ZERO」の38.7%。また、“ゼロ・ゼロ発泡酒”4商品合計の売上が、発泡酒カテゴリー全体に対して占めるシェアも28.0%になっている。

●“ゼロ・ゼロ発泡酒”を飲み続ける理由

 “ゼロ・ゼロ発泡酒”が、どのように消費者に受け入れられているのかを明らかにするために、トレンド総研ではアンケート調査を行なった。調査対象は20歳以上の男女500名で、事前に「“ゼロ・ゼロ発泡酒”を飲んだことがある」と回答した人。調査期間は2015年3月17~20日で、調査方法はインターネット。実際の調査を作業したのは楽天リサーチだ。

 アンケートではまず、“ゼロ・ゼロ発泡酒”を初めて飲んだ時の感想を自由回答で答えてもらった。「物足りなさ」をあげる人もいたが、「意外に美味しく、ビールに近い味わいだと思った」というように、ビールらしい味わいを評価する声が目立った。そして、「思った以上に美味しく、プリン体ゼロで健康にも良いことが嬉しい」という声があるように、“健康”と“美味しさ”との両立が求められているようだ。

 アンケートは「1度でも飲んだことがある」人を対象としたが、「現在も継続して飲んでいる」という人は43%になった。そこで、これらの継続飲用者に「“ゼロ・ゼロ発泡酒”を選ぶポイント」をたずねた。「糖質が0」と「プリン体が0」の2つが選ばれたのはもちろんだが、それ以上に多くの人が選んで、最多となった理由は「味が良いから」だった。

 “ゼロ・ゼロ発泡酒”の味わいについては、どのような評価か、それぞれの商品を飲んだ時の感想を複数選択形式で答えてもらった。4商品ともに、最も多かった回答は「ビールに近い味がする」だった。「ビールに近い味がする」という回答が最も多かったのは、「淡麗プラチナダブル」だ。「スーパーゼロ」については、「爽快感がある」、「飲みやすい」という感想が多い。「極ZERO」と「おいしいZERO」については、「喉ごしが良い」という感想が、相対的に多かった。

●同じ“ゼロ・ゼロ発泡酒”でもこんなに違う

 編集部でも独自に“ゼロ・ゼロ発泡酒”4種を用意し、20歳以上の男女に飲み比べてもらった。「淡麗プラチナダブル」については「味わいのバランスがビールふう」「爽やか」「すっきり」「香りがある」「女性向け」「パスタなどの食事で、炭酸水では物足りないときに」という声が寄せられた。

 シェア2位の「極ZERO」については、「アタリは軽い」「くせがない」という意見がある一方、「苦い」「ビールに近い」「油っぽい、あるいは濃い味のつまみに合う」という声もあり、同じ風味を個人の好みに応じて解釈していることが伺われる。「飲み口は甘めだが、後味に苦み」という表現が適当か。

 「スーパーゼロ」には「ビールのイメージを残しつつアタリの良さがある」「苦みが良い」「味がしっかりしている」「後味スッキリ」「クラッカー、チーズ、カナッペに合いそう」「好き嫌いがハッキリしそう」という感想が、「おいしいZERO」には「クリア」、「なめらか」、「クセがない」、「ビールが苦手な人でも飲みやすい」という感想があった。

 機能性とともに“ゼロ・ゼロ発泡酒”に求められる味わいだが、各商品それぞれに異なる特長を備えていることが試飲でも明らかになった。

●成長の予想と課題

 トレンド総研が、市場や消費者の動向について、キリンビールのビール類カテゴリー戦略担当機能系グループの植村昌史氏に尋ねたところ、“ゼロ・ゼロ発泡酒”市場の売上は好調で、この傾向は2015年も続くという。

 「『淡麗プラチナダブル』は2014年度の売り上げが想定の2倍以上に達した。“プラチナ”というネーミングに加え、パッケージにブルーとシルバーを採用するなど、品質感を感じられるデザインにこだわった」

 キリンビールでは、“ゼロ・ゼロ発泡酒”はじめ機能系ビール類市場は今後も拡大が続くと見ている。しかし植村氏は、健康面での機能性を謳うだけでは、もはや商品は選ばれないともいう。「お客様のニーズは多様化している。『機能系ビール類』と言っても様々なニーズの違いがあり、そのニーズに応えることが重要だ」。

“ゼロ・ゼロ発泡酒”に求められるのは……比較レビューで明らかになった個性

《高木啓@RBB TODAY》

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