トヨタ自動車は3月4日、4月1日付でトヨタモーターノースアメリカ(TMN)のジュリー・ハンプ副社長(55)をトヨタの常務役員に起用する人事を発表した。同社では初の女性役員となる。
また、6月の株主総会後にはディディエ・ルロワ専務役員(57)が外国人として初の副社長に就くことも内定した。いずれも役員のダイバーシティ(多様化)を促進する狙いでの起用としている。
ハンプ氏は1959年生まれの米国人。米GM(ゼネラルモーターズ)やペプシコ社で副社長を務めた後、2012年にTMNに入社し、同年から副社長。早川茂専務役員が本部長を務めている渉外・広報本部の副本部長兼CCO(チーフコミュニケーションオフィサー)に就く。同本部副本部長の小西工己常務役員は技術管理本部長に回る。
副社長に昇格するルロワ専務役員は、仏ルノーを経て1998年にトヨタのフランス工場に入社、2007年に常務役員、12年から専務役員で現在は欧州本部長を務めている。トヨタは4月から副社長の職務を「中長期視点での経営の意思決定と執行監督」とする方針であり、意思決定に多様な視点を採り入れることになる。