日本航空は2月25日、羽田空港内JALメインテナンスセンター1(M1ハンガー)を公開。同社777運航乗務部・機長の船越篤氏は、「横風時の着陸は、横歩きするカニをイメージした進入方法で、ラダーなどで姿勢を修正しつつ、ショックをやわらげながら接地する」という。
着陸時、飛行機は滑走路に沿ってまっすぐ入ろうと姿勢を整えるが、横風などがあると機体が流れてくる。こうした横風着陸(cross-wind landing)について、船越機長は、「流れている川をわたるのと同じ。横風着陸では一般的に、翼を水平にしたまま機首を風上側に向けて飛行するクラブ(crab)という姿勢で進入する」と話す。
JALでは、横風着陸の場合、高い高度でクラブをとりながら進入し、接地直前にスリップ(slip、風上側にバンクをとって横すべりしながら機首を滑走路に正対させる方法)に移り、機首を滑走路に正対させ、風上側の車輪から接地するという。
船越機長は「風上側の脚で接地すると、ショックが大きく乗り心地にも影響するので、それをやわらげるためにラダー(方向舵)で細かく修正している」とも話していた。
接地時の機軸方向と滑走路の角度は5度までという目安があるといわれるが、JALでは「最終的には機長判断。機長が安全な着陸ができないと判断すればそれ以下の角度であっても着陸復行(着陸やり直し、go-around)する」という。