危険ドラッグ吸引後の運転で7人死傷させた男、初公判で一部否認

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昨年6月、東京都豊島区内の区道で危険ドラッグ吸引後に酩酊状態でクルマを運転し、7人を死傷させたとして危険運転致死傷の罪に問われた37歳の男に対する初公判が10日、東京地裁で開かれた。被告は「危険運転の認識はなかった」と起訴事実の一部を否認している。

問題の事故は2014年 6月24日の午後8時ごろ発生している。豊島区西池袋付近の区道(片側1車線の緩やかなカーブ)を走行していた乗用車が道路左側のガードレールに接触。その弾みで道路右側の歩道に乗り上げて暴走し、歩道内に設置された電話ボックスに衝突して停止するまでに歩行者7人を次々にはねた。

この事故でクルマの直撃を受けた中国籍を持つ30歳の女性が収容先の病院で死亡。3人が骨折などの重傷。3人が打撲などの軽傷を負った。クルマを運転していた埼玉県吉川市内に在住する37歳の男からは後に危険ドラッグの成分を検出。事故当時は酩酊状態でクルマを運転していたことも判明し、検察は自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死傷)罪で起訴していた。

10日に東京地裁で開かれた初公判で、被告の男は危険ドラッグを吸引後に事故を起こしたことは認めて謝罪したが、一方で「運転に支障が出るという認識は無かった」として、危険運転については否認した。

続いて行われた冒頭陳述で検察側は、被告が約4年前から危険ドラッグを購入・吸引していたことや、「知人に対し、服用後に意識を失ったといった話もしていたことがあり、事故までに一度も危険な状態に陥ったことが無かったとは考えられない」として、危険ドラッグを吸引した後に意識を失う可能性を被告が認識していた可能性も指摘した。

これに対して被告弁護側は、事故直前に危険ドラッグを吸引したことは認めた上で、「被告はこれまでに経験のない体調の異変で意識を失い、気がついたら事故を起こした後だった」と主張。被告に意識を失う認識はなかったと強調。検察と争う姿勢を見せた。

《石田真一》

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